これまた違う日の話なんやけど、錦市場を東から西に通り抜けて烏丸通りを更
に北に上って1ブロック行った角を西に曲がると、「前田珈琲店」と言う喫茶
店の前に出る。店の外観は普通やけど看板がすごい。
まさに、これぞ昭和というカタカナ文字だ。
ええなあ。中に入っても昭和の風がそよいでいる。どこに座るかためらってた
らビシッとした昭和のお母さんがテキパキと取り仕切っていて間断がない。
しかも店頭にいる時から珈琲の香りが立ち込めているんで嫌が上にも期待が高
まる。
折角やから美味しい珈琲を頂こうとグアテマラでを頼む。
お客さんはとても多彩だ。部下を連れたオフィスのえらいさんらしき人。
わしらのように昔ながらの珈琲の店と言う名前を頼りにやってきた人。
観光の道すがらええとこあるやんかと迷い込んで来た若い人たち。
それぞれがお母さんに仕切られて席に着いて行く。
ここはサイフォンなのかドリップなのか他の淹れ方なのか見せてないんでそれ
はわからん。
やがて、珈琲が運ばれてきた。
美味しい。強い目の味わいと酸味が走る。香りも良い。
特別ではないが美味しい。
店の歴史が味わいを深くしてるようだ。
ところでここでは煙草が吸える。一応分煙になっていて吸わない人の場所があ
るようやけど、わしらが案内されたのは喫煙席だった。
お母さんにこいつは吸うやろと見切られたようだ。そういう事なら吸ってしま
おう。
最近は喫茶店でも禁煙が当たり前になってきた。特に珈琲の味と香りに拘る店
は煙草なんかとんでもないというものだ。わしは普段は全く煙草を吸わないん
で禁煙でも何の問題もない。しかし、わしらの世代は昔から喫茶店では煙草を
吸うものと擦り込まれている。特に美味しい珈琲があって美味しい音楽があっ
たりしたらやっぱり煙草がええなあって思ったりする世代だ。
それで、ここでもちょっと一服させていただくことにした。
吸わない人には申し訳ないけどこれはこれで美味しい一時になった。
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ありがとうございました。