北大路魯山人、「料理王国」
有名人の古典的な名著という話もあったので何時かは読みたいと思っていたが、急に気が向いた
ので読む事にした。
書の名人から料理の名人となり、焼き物の名人となった人。
傲岸不遜、奇人、変人、天才と言われている人の料理の本だ。
しかし、読んでいて段々腹が立ってきた。
全く尊敬できない人だ。
天才だから、素晴らしいモノを生み出す人だからどれほど傲岸であってもいいという事には
ならないと思う。
窮極の芸術家は変人、奇人、エキセントリックな人が多いというかもしれない。
しかし、この人はそういうスタイルを敢えて作っているようなわざとらしさが感じられて
好きになれない。
私は、「人はモノを極めるほど謙虚になる」ものだと思っている。
トゥールダルジャンのソースの考え方が気に入らなけらば、それは最初からわかっているの
だから食べに行かなければいいと思う。食べに行って、能書きを垂れて、ワサビと醤油で
食うのはパフォーマンスとしか思えない。
いやなやつの話だが、結構夢中で読んでしまった。
伊坂幸太郎、「陽気なギャングの日常と襲撃」
この人、えらい人気のベストセラー作家何だと言う事に気がついた。
図書館で予約してもなかなか順番がまわってこないのだ。やっと順番が来たが、シリーズモノ
でも順番通りに読めないが仕方がない。
実に愉快なサスペンスだ。
特別仕立ての殺人事件が起こらなくても、人生の機微と複雑にからみあう動機をあれこれ
探らなくてもサスペンスは成り立つのだというのを知った。
陽気でクールでちょっとエキセントリックな男と女が集まって、実にクレバーな銀行強盗を
あざやかにやってしまう。
いや楽しい。
話の中に周到な仕掛けがある。たくらみがある。
そして話はだんだん意外な方向へ。
こういう展開が楽しくて一気に読んでしまう。
こんなギャング、実際にいてもいいかもね。
毎週火曜は最近夢中で読んだ本の話です。