最近夢中で読んだ本、蘇東坡、張文成

  • 2009年3月17日
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小川環樹・山本和義訳、「蘇東坡詩選」
蘇東坡の詩は好きだったが、纏めて味わう機会がなかった。
今回、旅行に行った時に、読もうと持って行った所、
色んな手違いで旅行も待ち時間が多くなって、旅行の間に全部読んで
しまう事ができた。思わぬ収穫ではあった。
蘇東坡の詩はすばらしい。彼の人格が薫っている。
何度か辛い目に会いながらも、詩に悲愴さや皮肉がなく、格調の高さが
感じられるものばかりだ。
蘇東坡で有名なのが、「前赤壁賦」と「後赤壁賦」
その「前赤壁賦」の一節。
前後壬戌之秋、七月既望、蘇子與客泛舟、遊於赤壁之下。
清風徐来、水波不興。挙酒蜀客、誦明月之詩、歌窈窕之章。
少焉月出於東山之上、徘徊於斗牛之間。白露横江、水光接天。
縦一葦之所如、凌萬頃之茫然。
浩浩乎如馮虚御風、而不知其所止、飄飄乎如遺世独立、羽化而登仙。
於是飲酒楽甚。扣舷而歌之。
歌曰、桂櫂兮蘭漿。
撃空明兮泝流光。
渺渺兮予懐、望美人兮天一方。
三国志の舞台が目に浮かぶようだ。
私の好きなのはこの詩、
和陶飮酒 
我不如陶生 世事纏綿之
云何得一適 亦有如生時
寸田無荊棘 佳處正在茲
縱心與事往 所遇無復疑
偶得酒中趣 空杯亦常持

張文成、「遊仙窟」
平安時代以降の日本の文学に多大な影響を与えた中国文学という
ことなので読んでみた。源氏物語にも影響があったという。
文武に優れた貴公子が、山中に迷って、桃源のような不思議な屋敷に
行き着く。そこには、美しい姫がいて。
詩を取り交わして、盛り上がって。
一夜の契りを。
更に、その姉というのも美しい姫で、いっそ二人とも。
そんな都合の良い、話の流れは、源氏物語にも脈々としている。

hon090317

毎週、火曜は最近夢中で読んだ本の話です。