「雨の島」。
呉明益
この人の「歩道橋の魔術師」にはまって、ずっと追っかけ読書してる。
古き良き台湾の歩道橋のある商店街。ええですなあ。
「自転車泥棒」もよかった。旧日本軍が象と戦いながらマレー半島を自転車で縦断する?
闇夜、黒い大地と黒い山
ソフィーは家を出る決心をした。まずはサンチャゴ・デ・コンポステーラの旅に。そして・・・台湾?
小さい体で、ミミズの研究を続ける。
ある日、コンピュータウィルス、「クラウドの裂け目」からメールが来た。鍵を受け取る。
それを開くとマイヤー父さんの人生が現れた。世界をめぐるトレッキングに・・・台湾で遭難して助けられ、
コンゴ盆地で九死に一生を得た。そして左足を切断・・
その2つの地から2人の子供を引き取って育てた・・・
人はいかにして言語を学ぶか
狄子(ディーズ)は大きくなるにつれて口をきかなくなってきた。しかし、音に対しては非凡な記憶力を持っている。母は鳥類学者、鳥の声を音符にする事を教えてもらった。
父は去る 母は癌でなくなった。
大学で鳥類行動学を学びながらタイワンヨタカを追う?セデック人のガイドにバイクに乗せてもらって東部の高山の古道に入る。そこでドイツからきたらしい小さな女性と出会う。ミミズの研究をしているのだそうだ。
いつか、聴覚障害者のバードウォッチングサークルを始める。
鳥の声をどう表すか 直接伝えられないことは隠れた方法であらわせばよい
そして、「クラウドの裂け目」がとどいたか?
「長いまつ毛」小翠?
アイスシールドの森
敏敏は氷の世界にいる。アレンと賢志が出発した。救援隊は向かっている。とうとうハッチの扉が壊れ、小屋に閉じ込められた。救援は間に合うのか?
そしてこれは現実か?精神治療のための仮想体験なのか? なぜ? 「新生」、臨死体験治療?
小鉄の父は阿木師匠と呼ばれている。登山の案内人だ。彼の作る晩餐は海鮮粥で高度2千メートルの贅沢 と評判であった。しかし、ある日母が荷物を山小屋に運途中落ちて死んだ。それから父は・・
小鉄は舒有スユと「スタジオ有鉄有木」を設立した。ヴァーチャル・フォレストで50mの大木に登るツリークライミングとツリーカフェー。
阿賢は山のなかでツリーボートから落ちた状態で発見された。死んではないが意識戻らない。それからずっと・・・ 木の上に連れていこう・・・
雲は高度二千メートルに
関(クワン)はいつまでも妻の死と向き合えない。
あるひ、「クラウドの裂け目」が届いた。妻の小説の箱を開く。妻の研究は? 雲上2千メートルのファイル? うんぴょうとは?
うんぴょうを探して山にいく。そして、有鉄有木と出会う。
とこしえに受胎する女性
「クロマグロを求めて」資金をつのった。サラッサとロシカ。
遠洋研究船を改造して最後の航海に出る?
そして出会ったものは? ミナミマグロ? サラッサ クロマグロ ゼウグロドン?
小食 ツバメ 共棲樹 郊外の空き家・・・
・サシバ、ベンガル虎および七人の少年少女
サシバ、ベンガル虎および七人の少年少女
おじさんの鷹? おじさんの饒舌に聞き入る少年少女。
ベンガル虎とは?
とても面白い
とても心惹かれる。しみじみする。
ここにあるのは自然との出会い、発見、そして共生。ある種、南方熊楠の世界を見るようでもある。
6つの物語は別々ではなくて、つながって響き合っている。
肉体の痛みと精神の痛みを台湾の原野と生き物たちがやさしく癒してくれる。
こんな、ツリークライミングってとても興味あるなあ、できへんやろけど。
バーチャルフォレストなんて実際にあったらええなあ。
わしの勝手なおすすめ度
二十一時の渋谷で キネマトグラフィカ
古内一絵著
開幕 バック・トゥ・ナインティーズ
令和になった。銀活が外資に買収されらしい。社長が交代、役員一新、拠点が郊外へ。
噂が乱れ飛ぶ。
DVD宣伝チーム長の砂原江見はこのどさくさに、あるいは最後の仕事として、あるいはやぶれかぶれに、勝負をかけた企画、映画の上映とトークショー。
映画はサザンクロス 子連れの英国人女性と結婚した日本人男性。事故で妻を失い、十代の連子と新婚旅行でいくはずだった日本最南端の島に南十字星を見に行くというロードムービー。
トークショーに呼ぶのは最後の渋谷系といわれたカジノヒデキ。
さて、この企画、映画宣伝担当役員、葉山学、あのマナバヌといわれたテキトーなやつ、に判を押させることができるのか・・・
第2幕 令和戦線異常あり
第3幕 ゆとり羊は90年代の夢を見るか?
第4幕 女も男もいない舗道
第5幕 あおさぎ、さちずさんで
第6幕 第三の女
閉幕 時をかける我ら
こっちはだいぶ面白い
平成の終盤に向かって、わしが行ってた会社も見売、買収の瀬戸際だった。結局は同業他社に吸収されてしまったんやけど、そのころ大変だった。
社業たてなおしのための人員整理やら給料カットやら、組織改変やら・・・
今は改革のとき、抜本的な改革を・・・、身を切る改革・・・
そして、一生懸命改革活動をやってたはずが・・・
いつのまにか、その改革を改革する活動が・・・
わしらは、いつの間にか抵抗勢力に・・・
わけわからん。
あとちょっとやったのに・・・・
あの頃を思い出すなあ。