南條竹則、「中華美味紀行」
中国に行くといつも食べる事が大きな楽しみの一つだ。
どの地方にいっても、その土地土地の食べ物があるし、それが実に旨いのだ。
だから、その地の記憶と食べ物の記憶が結びついて良い思い出になる。
この本は、食べ物の専門家が中国各地を食べ歩いた記録だ。
と言うことも言えるが、実際は、中国が大好き、中国の食べ物が大好きという
心が溢れているので、全くの同感だ。
同じものを食べた話がでると、「あーそうそう」と相槌を打ちたくなるし、
知らない食べ物の話だと、「絶対行こう」と思ってしまう。
楊州では、芥川龍之介も絶賛したという「蟹饅頭」。食べ損ねたなあ。
西安の羊肉羊肉泡莫。美味しかったですか?私は美味しくなかったけど、
もう一度挑戦しようかなあ。
蘇州の朱鴻興の汁そば、あれは実に旨かった。水墨画の老師の案内で
拙政園のとなりの店だった。そこの「蟹味噌麺」は絶品であった
長沙の火宮殿で臭豆腐。私は行けなかったけど、友人が行った。旨かったそうだ。
北京の豆汁。つい先日、初挑戦。これも印象に残る味だったなあ。
私ももっと食のコレクションを広げなくては。
小野健吉、「日本庭園」
日本庭園や庭園の歴史、由来について知っておきたくなったのは、以前
ベトナムの友人を京都や奈良に案内した時に、有名な庭園に連れて行って、
実は殆ど何も知らないという事に気がついたからだ。
拙い英語のせいもあるけれど、禅味や侘びとか寂びとか茶の湯とか言っても
説明できるほどの事は何も知らない。
それで、この本を読むと庭園の歴史や由来がわかってとても参考になった。
宮廷や公式の接待や貴人の憩いから始まって、やはり、禅とのかかわり、
茶道とのかかわりが日本の庭園を優れたものにしていると思う。
美的なだけでなく、精神的なものが加味されていった課程は興味深いものだ。
毎週火曜は最近夢中で読んだ本の話です。