最近は、新書の書店だけでなくて、古本屋に行く事が多くなったが
自分の書棚を見直していると、まだ読んでいない本があったり、
昔読んだけど、今、又気になる本を発見したりすることがある。
今日はそういう本の紹介だ。
老舎、「駱駝祥子」
この本は、まだ、中国に行った事が無い頃に読んで、すごい面白い
と感銘を受けていた本だが、これは実は、老北京が舞台になっている。
それで、貧しい車屋の、どうあがいてもどうにもならない一生の中で
その日々の暮らしが、実に微に入り、細に渉って饒舌に語られて
いるのだ。今、何度も北京を訪れた経験で読み返してみるとどうだろう
と思い。読んでみた。
素晴らしい。大感動だ。
北京の胡同が目の当たりに浮かんで来るようだ。その中でも庶民の暮らし
庶民の食べ物が生き生きと躍動している。
やっぱり凄い作家だ。
谷崎潤一郎、「谷崎潤一郎全集」より
上海見聞録、上海交遊記、蘇州紀行、秦淮の夜。
書棚の奥の方に「谷崎潤一郎全集」がある。主要な作品は読んでいるが、
総てを読んだわけではなくて、置いてあった。
それで、もしかしたら谷崎も中国に行って、文を書いているのではないか
と思い、見ていると、沢山ある。
それらを、探して、読んで行くのも楽しみの一つになりそうだ。
谷崎は、実は新聞社の北京特派員として中国に駐在していた時期があるようだ。
それでかどうか、北京や上海に関係した文が沢山ある。
今回は、上海やその付近のものを選んで読んでみた。
実は、中国語もかなり出来たのではないだろうか。そう思えるような文も
沢山ある。
それで読んでいると、当時の上海や蘇州、南京の様子が昔はこんなだったとか
人の様子がこうだったとか、食べ物はどうだとか、女性はどうだとか、
娼婦はどうだとか、谷崎独特の感性の文で書かれていて実に興味深い。
もっと読んでみようと思っている。
毎週火曜は、最近夢中で読んだ本の話です。