無地の扇子

夏の暑い時に、よく扇子を使う。それで、鞄に入れて持ち歩いているが
なかなか気に入ったのにあたらない。中国に何度も旅行に行って、
土産に山水や花鳥の柄のものや、書が入ったものを良く買って来るが、
あまり好いモノに当たっていない。
それなら、白無地の扇子を手に入れて自分で画いてやろうと思うようになった。
日本の書画材料店に行くと、すぐにあって、しかも、画を描くのなら
画仙紙を貼ったのがあるという。それで買ってみた。
造りはしっかりしているし、紙質もよさそうだ。しかし、しっかりと
作ってあるので、画きにくそうだ。値段もやや高い。

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それで、「こんなのなら、絶対中国にあるだろう」と思い、北京に行った時
に文房四宝の店に行ってみた。最初の店では、「そういう商品はあるには
あるが、今は季節じゃないから、夏になったら売ってるよ」と言われた。
もう一つの店では、「ある」との事だ。しかし、値段がえらく高い。
「何んでや?」と聞くと、軸の材料が高級だという。確かに高級木で、
塗りや装飾が立派だ。「もっと安いのないの?」ときくと、単純な竹材のを
持ってきた。「これでいいんだ」と言って買ったが、日本より若干安い
程度だ。しかし、紙の部分は軸材からすっぽりと抜けるようになっていて、
画くのは楽だ。描いた後、軸に差し込んで、端の部分だけ接着すれば良い。
うまく考えたものだ。「その細工の分が高いんだ」と理解できた。
紙質は画いてみないと分からない。
今年は、夏が来る前に「自作扇子」を試してみよう。

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毎週月曜はこだわりのモノに話です。