清荒神の「鉄斎美術館」

清荒神に富岡鉄斎の美術館があると聞いた。これは行かねばならない。
そう思ってから大分日が経った。
閉館期間もあったからだ。今はもう開館している。そろそろ行かねばなるまい。
阪急宝塚線に乗った。案内板を見ると、宝塚の一つ手前だ。
「えらい遠いなあ」、「急行はとまるんかいな?」と思いながらも急行に乗ったら、
豊中より向こうは各駅停車という。まあ安心だ。
駅からは少し遠そうだ。駅を降りると、さすが有名な神社だちゃんと参詣道がある。
看板には駅から15分と書いてある。
ゆっくり歩き始めた。登り坂の参詣道だ。両側にいろいろな店が並んでいる。
おかきを売っている店がよく目立つ。「名物なんかなあ?」
野菜を売っている店もあるし、お土産を売っているみせもある。
食堂もあるし、弁当やさんもある。見ながら歩いていると飽きない。
参道の脇にある家の庭の桜も、満開をすぎつつある。
まだ着かない。15分はとっくにすぎている。それほど足が遅いわけではないけどなあ。
見えて来た。
境内には大きな桜の木が。記念写真をとっている人がいる。
「美術館はどこかいな?」どんどん行ったらわからなくなった。
入り口の看板まで引き返してよくみると、本殿の隣を更に上がった一番奥だ。
「60歳を越えてますか?」、「はい」
「じゃあ150円です」、信じられない値段だ。
実はあまり期待していなかった。
しかし、すごい。かなりの大きさの部屋の3方の壁が大作で埋められている。
今回のテーマは富士山だ。鉄斎独特のダイナミックな画が躍動している。
大胆不敵ではあるが、よくみると古典的な技法をしっかりと学んだ跡がはっきりと感じられる。
「すごいなあ」
賛がいい。万学を修めたと豪語する鉄斎の面目躍如だ。
「私の画を見るならまず賛を読め」と言ったそうだ。
一生懸命読もう。
じっくりと何度も見て、目に焼き付けて、今日は元気を一杯もらった気持ちだ。
体に力が湧いてきた。
何か画こう。

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