姉崎等(聞き書き 片山 龍峯 )、「クマにあったらどうするか」
この本読んでよかったと思った。何となくじわっと心が暖まった気がした。
山中でクマにであったらどう避けるかなんてハウツウものの本ではない。
アイヌ民族最後の狩人と呼ばれる姉崎等が話した内容を片山龍峯と言う人が
本にまとめたもので、話してのほのぼのとした人間性がつたわってくる内容だ。
クマは人間を恐れている。そして人間を餌とは考えていない。だから基本的
には人間を襲わない。しかし、一度人間を食べて味を知って餌と思ってしま
ったクマはかならず人間を襲う。時々、新聞やテレビを騒がせるのはこうい
うクマだろう。
クマは人間のそばに暮らしている。密かに距離をおいて人間を見つめている。
それは襲う為ではない。
クマは頭のいい動物だ。山から山を自由自在に移動する。人間に追われたら巧
みにコースを変えて、足跡を消しながら移動する。
子供のいるクマは怖い。何があっても子供を守ろうとする。
戦後の植林政策で針葉樹ばっかり植えたからクマの餌がなくなってきた。
雪の上で火を炊く時はどうするのか。道がわからなくなったらどうするのか。
犬と狩をするときはどうするのか。いろいろとアイヌと山の人の知恵が語られ
る。
ええなあ。人と自然の暮らしの原点があるようだ。
結果的にクマに出会ってしまったらどうするか。
絶対に逃げてはいけない。
声を上げて睨み付ける。
逃げるより腰が抜けてしまったほうがまだいい。
それでも組み敷かれて、クマが顔の上で口をあけてよだれをたらしたら、その
口めがけて何でもいい、何もなければ手を突っ込んだら驚いたクマが逃げてい
く可能性がある。
そんなできるかな?
司馬遼太郎、「アメリカ素描」
6月になったらアメリカに旅する予定があるのでこの本に興味を持った。アメ
リカって行ったことはあるんやけど、どんな国っていうのは実感がわいてない。
この人によれば、・・普遍性があって便利で快適なものを生み出すのが文明で
あるとすれば、いまの地球上にはアメリカ以外にそういうモノやコト、もしく
は思想を生みつづける地域はないのではないか。・・
と言うことなのだそうだ。これが書かれたのは25年以上前だ。いろんな面で翳
りが出てくる前の強いアメリカだった時代の印象をうける。
しかし、いろんな事で示唆を受ける内容が多い。これを読んだ後にアメリカに
行って見たらまた考えることがあるに違いない。
なんといっても基本的にはWASP(White&アングロサクソン&プロテスタント)
の国なんか。小村寿太郎のポーツマスに残る逸話。黒人こそ生粋のアメリカ人。
過去にあった中国人バッシング、日本人バッシング、これらはアメリカで還流
するはずのドルを持ち出すものたちにたいする金銭上の憎しみからきたものだ。
なるほど、なるほど。
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ありがとうございました。