最近読んだ本、「戦禍のアフガニスタンを犬と歩く」、「なぜ秀吉は」。

  • 2022年4月19日
  • 5人

ローリー・スチュアート、「戦禍のアフガニスタンを犬と歩く」。

すごい話だ。まだ、タリバンとの戦争が燻るアフガニスタンをたった一人で、
1頭の犬を連れただけで、それもすべて歩きで踏破してしまう。
西の都市、ヘラートからまっすぐ東に、チャグチャランを通って、バーミアンの遺跡を
通って、首都カブールに至る旅だ。
道なき道もある。厳しい山越もある。しかも雪が積もる季節だ。
とても過酷な旅。
すごい話だ。
間違えたらいつ遭難するか分からへん。間違えたらいつ撃たれるかわからへん。
寝るとこがある保証はない。食いもんがある保証はない。
ほとんどの場所が自分達でも食うに困る貧しい暮らしをしてる。
しかし、彼らの文化では、訪れた旅人に一夜の宿を与え、食物を供するのは大事な
ことらしい。しかも、つぎの村まで一緒に歩いて案内するのも当然のことらしい。
タリバンの味方か?、政府軍支持者か? どっちかわからん。
土を掘れば遺跡がやまほどある。
ジンギスカンが攻め込んだ村。イスラムの王が支配した村。仏教をもたらした
征服者もいる。
それらが盗掘されてわずかな金で散逸していく。
異教の遺跡は破壊されるだけ。
目先の戦争か? 部族の争いか? 生き残りの道か?
ひたすら歩いて旅をしたら、リスクは大きいけど、得るものはもっと大きい。
言葉ができるからこその旅でもある。犬もいる。
とても、強烈な日々が淡々とした文章で綴られている。
とても良い。
素晴らしい。

ついこないだ米軍がアフガニスタンから撤退した。そして又、タリバンの国になってしまった。
中村哲さんの血の滲むような努力も無になってしまうのかと思うととても悲しい。
しかし、ええもんはアメリカで悪もんはタリバンというようなステレオタイプな話は
通用しない。
この本は、ソ連侵攻の後、タリバンが現れて暴れていた頃の話。
国連平和維持軍みたいなのが入ってタリバンを追い詰めていた頃の話。
著者は元外交官。インドネシアやモンテネグロで仕事をしていたらしい。
イランからネパールまで2回に分けて全行程を歩いて踏破した後、イラク暫定統治機構の
上級顧問をしたいという人だ。
こういう経歴の持ち主やからこそ可能だったかもしれんけど、すごい話だった。
ロシアのウクライナへの侵略行為のニュースを見ながら考えると、いろんなことが
昔から繋がってる。
なるほどなあ。

ヘラート チャグチャラン バーミヤン カブール
1日目 ヘラートーヘラート・シェード
2日目 ヘラート・シェードーテューロン
3日目 テューロンーブリアバブ
4日目 ブリアバブーディデロス
5日目 ディデロスーラクワジ
6日目 ラクワジーチスティシャリフ
7日目 チスティシャリフーシール・ハジ
8日目 シール・ハジーダハニレザク
9日目 ダハニレザクーカメンジ
10日目 カメンジーガルマオ
11日目 ガルマオージャム
12日目 ジャムーガール
13日目 ガールーチェスメ・サキナ
14日目 チェスメ・サキナーバラ・カーナ
15日目 バラ・カーナーチャグチャラン
16、17日目 チャグ・チャラン
18日目 チャグ・チャランーバドガー
19日目 バドガーーダウラトヤール
20日目 ダウラトヤールーサンギザルド
21日目 サンギザルド
22日目 サンギザルドーカトリシュ
23日目 カトリシューカライナウ
24日目 カライナウーシアル・チェスメ
25日目 シアル・チェスメーヤカウラン
26日目 ヤカウランーバンディアミル
27日目 バンディアミルーゴーラク
28日目 ゴーラクーシャイダン
29日目 シャイダンーバーミヤン
30、31日目 バーミヤン
32日目 バーミヤンーカル
33日目 カルーダハニ・シアル・サンダ
34日目 ダハニ・シアル・サンダーシアハク
35日目 シアハクーマイダン・シャール
36日目 マイダン・シャールーカブール

角井慶喜、「なぜ秀吉は」。

「銀河鉄道の父」を書いた人の作品やからとても期待して読んだ。
なぜ、秀吉は朝鮮出兵をしたのかというのがテーマだ。
去年の今頃、九州佐賀に行った。その時、名護屋城趾を訪問した。
想像以上の規模と本格築城にとても驚いた。
又、この戦いを朝鮮半島側からの視点で描いた金薫、というひとの「孤将」という本も
興味深く読んだことがある。
その他、文禄・慶長の役に関わるはなしは、もう忘れたけどいろいろ読んだ。
それでこの本。
脇役はそれなりに新味を見せてるけど、本筋は単調だ。
正直、おもろない。
有名すぎる話って難しいですなあ。

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ありがとうございました。