坂本司、「ウインター・ホリデー」
この本失礼ながら最初は軽い気持ちで読んでいた。図書館の棚でふと見つけた
だけやし、読み出しからして軽い本やなあって思ったのだ。適当に読み流して
別の本見つけようって思たんやけど、何故か途中で惹き付けられはじめた。
元ヤンキー、元ホストのヤマトが宅配のお兄さんとして真面目に働いている。
ヤマトは分かれた妻との間にできた子供が時々会いに来てくれるのが唯一の楽
しみだ。ところが息子は密かに元ホスト仲間や仕事仲間と密かに連絡をとりな
がらもヤマトにはなかなか連絡をくれない。
それでもとうとうヤマトのところに泊まりにくることになった。クリスマスの
プレゼントは何にしよう。ご馳走はどうしよう。そして小さな事件がいくつか
起こって段々複雑になっていく。
ある雪の日に誘拐騒ぎが・・・・
話は軽いし、筋書きも行き着く先も安易ぽいんやけど何故か人の息遣いが聞え
る気がする。あったかいお喋りが聞えて来そうだ。
こんな本の書き方もあるんやなあって思った。
高野秀行、「ミャンマーの柳生家」
前に「謎の独立国家 ソマリランド」と言う本を読んで、この人、他にどんな
本書いてはるんやろって気になった。早稲田の探検部出身ということで人が誰
も行かない、行きたがらない世界の秘教にどんどんでかけていって身を持って
経験したことをノンフィクションとして発表していってるようだ。
それでこの本、ミャンマーに行くのがまだ難しかったころ、うやむやでビザを
もらって軍事政権の管理がきびしいミャンマーに出かけて話なのだ。ミャンマー
は行ってみたい国やから読んでおかんとあかんやんか。
ミャンマーのアウンサン・スーチン女史と軍事政権との対立って、簡単に言え
ば、ええもんと悪もん、圧制者と自由民権活動の闘士って構図やとずっと思っ
てたけど、実際はそうとばかりは言えないようだ。。少数民族を含む民族間の
利権がからんだ複雑な問題を抱えているらしい。それにスーチン将軍時代の密
約があって、少数民族を独立させるだのややこしい話もからんでいるのだそう
だ。そういう事情を背景に、政府監視下のおしきせ旅行にもかかわらず、いろ
んなとこに首をつっこんでいろんな事を聞きだしていく。実におもしろい旅行
記だ。これを読んでいてミャンマーに行きたくなった。
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