大阪、四天王寺、春分の日想観

去年の秋分の日に四天王寺の日想観と言うのに行った。毎年、春分の日と秋分の
日の2回、四天王寺の西門に向かって太陽が真っ直ぐに沈むと言うのだ。なかなか
厳かな雰囲気であった。それから半年、すっかり忘れてたら春分の日が来て思い
出した。さしたる用はないし、ちょうど心斎橋に行くついでもあったんで、その
帰りに寄ってみよう。この日は朝から晴れたり曇ったり、寒の戻りもあったりで
あんまりええ天気ではない。心斎橋で用が済んで天王寺に向かう頃には雨が降り
だした。こらあかんのちゃうやろかと思うけど、行くと決めたからにはとりあえ
ず行ってみよう。
天王寺から参道を歩く。風は強いけど天気は持ち直してきた。晴れ間すら見える。
こう言う日の参道はいつもながら人が多い。まっすぐ歩けへんくらいだ。平均年
齢もわしが恐れ入りましたと言うくらいの勢いだ。
着いた頃はもう西門のあたりに人が集まって始まるのを待っている。
「すいません。今から何が始まるんですか?」と聞いてくる人もいる。おっと待
ってましたとばかり、「春分の日と秋分の日に、あっこの門と鳥居に上に真っ直
ぐに太陽が沈むんですわ。」なんてえらそうに説明にかかる。
あいにく又雲ってきた。
日想観の読経が始まる。
・・・・一心頂禮、十方法界常住三寶
謹み敬って、大恩教主釈迦牟尼如来、日本仏法開祖聖徳太子の前に申す。我らと
衆生と、無明生死の裡、如来の音を聴聞するに・・・・・
表白文、発願文やら何やら般若心経やら云々・・・・。
皆さん小さい声でぶつぶつとついて拝む。

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太陽がだんだんと降りてきた。雲の中から明かりは見えども姿は見えず。
しかし、門をくぐる頃、びかりと姿が見えた。
雲があっても貫き通して見えるのだ。

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えらいもんやなあ。読経の力なんかなあって思う。
その後は見えたり隠れたり。
読経も終わるころ、門を通り過ぎて、鳥居の上に落ち始める。
これも雲が厚い。
もうあかんのかなあって思うころ。
ちょうど鳥居の横棒2本の真ん中に入った時。またびかっと閃光が走って、丸い
太陽が全部収まって見えた。
おもわず回りから歓声とどよめきがわいた。

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何故か自然の力の大きさを感じた。
こんな風に自然のめぐりに敬意を払う機会があるってええもんやなあって思った。
その後もゆっくりゆっくり太陽は落ちて行く。
聖徳太子の頃はこの向こうの上町台地から海に向かってストンと落ちていった
んやろなあ。

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ありがとうございました。