雲南省、元陽、建水の旅-29 建水の紫沙陶
建水の街でもう一つ楽しみがあった。前に、「たまゆらの女」と言う映画を見た
話をしたと思う。それで重慶の霧の中のケーブルカーに乗りにいったのだが、
その映画の主人公の女性は、建水で磁器の絵付けをしていて、毎週、列車に
乗って男に会いに重慶に通うという話であった。
それで、建水には陶磁器の故郷があるかもしれないと思って調べていたが
殆ど検索にひっかからない。そのうち、陶器の工場が見られると言う記事が
ちょっとだけあったので、ツアーの計画を立てる時に昆明の旅行社に聞いてみたら
見学可能だという返事であった。
まあ、実際には建水から重慶に行く列車なんか線路すら存在しないのだから、陶磁器
も期待できないと思っていた。
見学にいくと、意外とおもしろい。
工場の中で、いろんな人が分業して陶器を作っている。
轆轤は機械式だが1個1個作っている。驚いた事に絵付けをする人は、美術の本を
見ながら手で画いている。他の人は、その画をヘラで削って、そこに顔料を
押し込んで仕上げていくのだ。
今時、こんな手作り家内工場を見れるのはなかなか興味深い。
建水はどうやら、磁器ではなくて陶器のようだ。それも、宜興のように紫沙の陶土が
あるようで、中国第2の紫沙の陶器だと書いてある。
ちょっと洗練さではおよばないが、おもしろいものだ。
今は寧ろ生活雑器を作っているのだろう。
建水名物の鶏料理を煮る土鍋だそうだ。
実は、ここにはタクシーで来た。
昨晩の大宴会で張り切り過ぎた運転手が朝起きられないようだ。
ガイドが来て、「私がタクシーで連れて行く」という。
やつは、我々が帰った後も飲んでたみたいやからなあ。