さて宿についた。富士吉田ユースホステルと言うところだ。
「これってほんま人が泊まるとこ?」って思わず叫んでしまいたい気になる。
しかし、ちゃんとしたユースホステルの標識がある。どうみても大正昭和の民家
の残骸のような、旅籠とまではいかないでも古びた旅館のなれのはてのような
気がしてしまうほどのしかし何とも懐かしさが湧いてくるようなお家の入り口
であった。中に入るとワンワンとお迎えがあって、ご主人が、部屋へ、それから
洗面所や風呂場を案内してくれる。ぎしぎしと鳴る階段。傾きかけた壁と柱。
廊下は薄暗い。破れ障子とまではいわないけどガタビシしかけたガラス戸の部屋。
証明は薄暗い。泉鏡花の本に出てきそう。
「夜中になったら隣の部屋で山姥が鎌を研ぎはじめるんちゃうやろか」って
冗談がでそうなほどだ。
ぞくぞくするほどええ感じやんか。
ユースホステルの名誉のために言っとくが、昔からの民家を大事に使ってはる
んで大げさに表現しただけで、決してボロボロとか不潔とかいうわけではない。
洗面所やトイレはキチンと清潔にされてるし、お風呂も清潔で遣い易い。
部屋にはちゃんとテレビがあるし、暖房機もあって暖かい。今日みたいな寒い
日にはとても助かる。泊まるには申し分ない宿やと思う。
さて、晩飯を食おうと思う。予約時点で、晩飯も朝飯もつけられない素泊まり
だけやと予め言われたんで駅に降りたとき様子を伺った感じでは近くにレストラン
なんか何もないちゅう雰囲気やったけど隣が寿司屋だった。ちと高そうだ。
行ってもええけど、青春18切符で来て、ユースホステルに泊まって、寿司を
食うのはちとバランスが悪い。
折角やからさっき駅前のコンビニで買った助六寿司を食おう。
ついでにビール飲みたいなって思うけど、それもなさそうだ。
しかし、心配はいらん。こんな事もあろうかとウィスキーを持参してきたのだ。
備えあれば憂いなし。
じっくり今日一日を噛み締めながらちびちびやろう。
それにしても面白い一日だった。
青春18切符は初めてやけど、普通列車を乗り継いで、乗り換えはどうししょう。
乗り継ぎに失敗したらどうしよう。飯は何時食べる。座りたかったらどうする。
トイレはどうする。結構、知的なゲームででもあるではないか。
工夫すればもっといろいろ楽しみがありそうだ。
それにしてもそれなりに疲れた。
寝よう。
山姥は出るんかな?
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ありがとうございました。