藤原咲、「母への詫び状」 新田次郎、藤原ていの娘に生まれて
この本せつない物語だ。藤原ていの「流れる星は生きている」と言う本を恥ず
かしながら知らずに読んだのは最近だった。私が生まれた頃大ヒットしたらし
い。中国から命からがら母子3人で引き上げる壮絶な物語だ。これを読んだ時、
2番目の子供があの数学者で作家の藤原正彦さんであり、夫が新田次郎と言う
事も知ってすごい家族の顔ぶれやんかっておどろいたけど、それより、3番目
の赤ちゃんはその後どうなったんやろって気になった。
その子が書いた本があると言うのを知人に教えて頂いた。早速図書館に申し
込んで借りてよんだ。一気に読んだ。
本の中で母親に、2人の兄とこの子の命とどっちをとるかと選択を迫られるか
もしれんとか、兄たちを守る姿勢は必死なのに、赤ん坊に大してはどこかなげ
やりな表現、何だか生命力だけで生き抜いたかのようにもとれる描き方、そん
な風に描かれた子はその後、物心ついてからどう思って人生を生きるんやろう。
どんな風に母親と対峙していくんやろうと気になったのだ。
まさにその答えがこの本だった。
やっぱり厳しく重いものを背負ってしまってたのだ。
そういう複雑な心のゆらぎがこの中で描かれている。
そして、やっぱりそういう心を文章にしてしまうのは、作家の父、作家の母を
両親に持ってしまったDNAのなせる性なのかもしれない。
黒川創、「暗殺者たち」
この本、店頭でパラパラっと見てたら、伊藤博文が満州国のハルピン駅で銃撃
された事件が満州日日新聞に乗り、それについての夏目漱石の文章も掲載され
ているというところから始まっている。なんかおもろそうやなって思い、図書
館にエントリーしたけど中々順番がまわって来いへん。人気の本やんやろと
期待して待っていた。
最初は暗殺者、安重根を追う。
夏目漱石と満州鉄道あるいは満州日日新聞との関係。
安重根は政治犯なのかどういう活動をしてたのか?
いろいろな資料からかれの活動を追う。
しかし、漱石をからめて論じるにはかなり無理がありそう。無理やりいろんな
ことを関連付けて話を膨らませようとしてるように受け取れかねん面もある。
最近ニュースでこの名前が出てきた。韓国と中国が組んで安重根の英雄像を造
ったと言うのだ。あの事件のこういう利用のされ方は悲しい。
その後は大逆事件の関係者を追う。
荒畑寒村、管野須賀子、大石誠之助、幸徳秋水などだ。
しかし、何故かこの本の全体感がようわからん。
わしの読み取り不足なんやろなあ。
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ありがとうございました。