ある日友人から面白い催しがあると教えて貰った。
大人のためのワークショップ「瀟湘八景を描こう!」と言うやつだ。
おもしろそう。それで早速申し込んだら参加できることになった。もう大分
日数がたってしまったけどいい経験させていただいたので書いておきます。
案内状を見ていると持ってくる物リストの中にハンカチとある。
これってもしかしたら、「○○鑑定団」なんてテレビの番組で鑑定士がお宝を
見るとき口にあててるあれに使うんやろか?
そやったら国宝級の画を見ながら練習できる?
すごいやんと改めて感動する。
さてそれではと当日会場に行く。美術館ではなくて町の施設だ。
入り口では子供達の雪舟画が展示されている。
「うまいなあ。大人よりセンスあるかも知れん。がんばらんとあかんなあ」と
思う。
さて、まずは正木美術館館長先生から画の解説を頂く。
画は等春 筆 「瀟湘八景図」だ。まさに本物が目の前にある。
ええなあ破墨の真髄だ。あんなとこに寺がある。おっと人が舟に乗って釣りを
してる。あそこは木が茂ってる? 雨が瀟瀟と降って、霧で靄った様子が美し
い。墨をぽんとのせただけのようでいて、それがちゃんと人や建物なんかに見
えてしまうから不思議だ。
やっぱり予想通り現物をしっかりみせていただく。汚さんようにおそるおそる。
そして時分が描きたいお手本のコピーをえらんで席に着く。
さあ、こんどはわしらが描く番なのだ。
と言うてもどやったらええかさっぱりわからん。
そこで講師の先生が初心者でもわかるように丁寧に筆の使い方墨の使い方を
教えてくれる。
新聞紙にある程度練習したら、えい、もはやこれまでと時分の作品を描き始める
しかない。
思い思いに筆を走らせる。皆さん楽しそうだ。
自分の世界に入り込んで、しゃかしゃかと描いてはる。
こういう催しはええなあ。
墨に親しむきっかけになるし、絵を見る見方も随分変わるのだと思う。
いい経験をさせていただいた。
又、こういうのがあるといいなあ。
因みに瀟湘八景と言うのは中国、湖南省の洞庭湖のあたりの景色を言う。
長江が曲がりくねって複雑に分岐する場所やから季節の移り変わりや天候の具
合で風景が千変万化してえもいわれぬ風情を醸し出すところなのだそうだ。
しかし、それを期待して見に行った事があるけど、今は洞庭湖がぺろんと残る
だけで玄妙な風景は全く見られなかった。
こんな風に想像の世界を描くしかないのだ。
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ありがとうございました。