ホーチミン、フエの旅ー38

寂しいフエ空港?
「ここはほんまに空港?」スーツケースと大きな額を持って降りたのはいいけれど、
誰もいない。チェックインカウンターはまだ時間が早いから誰もいないのは当たり前
やけど、職員も客もだれもいない。ひっそりしている。
あわてて建物の外まで見に行ったが確かに空港だ。
「まあ、待ってたらええんやろ」とベンチに腰掛けてた。しばらく待っても殆ど人の
気配がない。職員の姿が見えないのが一番不安だ。
「もしかしたら今日の便はキャンセルに?」
「旅行会社に騙されて実際はフライトが無い?」
「大幅に遅れるから、こんな時間にだれも来ない?」
eチケットのプリントアウトを何度も確認する。館内の表示盤には電気すら入っていない。
心配したらきりがない。すると、トイレの横の通路の中から誰かでてきた。
職員風だ。あわてて近寄って行ってeチケットを見せながら、
「これでええんか?」と身振りをする。
「OK、OK」と言ってくれる。一安心だ。
「いつごろチェックイン?」
「○△▼・・・」通じへん。
もう少しすると、サラリーマン風の人が一人到着した。仲間ができた。
もう少しすると、マイクロバスがついて、旅行者が数人おりた。これで安心。
「今日はほんの少しの客でフライトやろなあ」
そんな事を考えていると、エンジニア風の職員が出てきてチェックインの機械をさわり
始めた。それで又聞きにいった。「チェックインは何時からですか?」
「5時半からです」今度は英語が通じる。
1時間半前にやっとチェックインだという。すこしずつ客が増えてきた。
5時10分頃になった。どこかで「ヒューン」という音がする。電源が入った音だ。
「パチパチパチ」といろんな表示板に明かりがついていく。カウンターのあたりにも
電源が入っているようだ。
「やっと普通の空港らしくなった」このころには乗客も20人くらいになっている。
今日はホーチミンに行く便があと2便だけだ。
今着ている乗客は大きなスーツケースを持った欧米人の観光客らしい人が多い。
かたまって喫茶コーナーにたむろしている。
「あそこはビジネスクラスのラウンジとちやうんか?」と思っていたがそうでも
ないみたいだ。「行ってコーヒーでも飲もう」と動きかけてカウンターをみたら、
チェックインが始まっているようだ。「さっさとやってしまおう」
チケットを貰ったら、やっと安心だ。