再び刺繍屋へ
ゆっくり食べていると、日本人グループの席がざわつき始めた。食事が終わったら
空港に行くようだ。あんまり余裕はないようで、現地ガイドがちょっと焦っている。
「えらい日本語うまいなあ」おばちゃん、おじちゃん達は焦ってない。
ゆっくりトイレにいってから出発だ。私もトイレに行っておこう。
しかし、ビールも入れて1000円位、えらい安いなあ。
さて、昨日からずっと気にかかっている事がある。昨日の昼に行った刺繍屋だ。
散歩の続きと、川にそって下流の方に行ったが、特に何かがあるわけでもない。
「やっぱりも一回行ってみよう」
ベトナム刺繍の画は既に買った事がある。ベトナムの友人から頂いたものもある。
結構高価なものだ。それに中国刺繍の画も家にはある。
これも中国人の友人から頂いたものだ。これは相当手の込んだものできっと高かった
ろうと思う。しかし、気になっているのは両面刺繍だ。
同じ布地の両面から同じ絵柄を全く同じように刺繍してあるのだ。それを透明な
ガラスに挟んで見ると、絵柄が透けて見えてとても美しいのだ。
昨日来た時には、ありきたりの花鳥画やベトナム風景、アオザイ姿など典型的な
ものが多いので、「まあええか」と思っていたが、奥までいくとかなり良いのがあった。
花鳥画でもちょっと違う。風景にも味がある。
しかし、値段を聞くと相当高い。それでもちょっと迷うが買えそう、しかし持ち帰るには
大きすぎるかな?というのがあって気持ちが残っていたのだ。
昨日と同じように他に客はいない。ゆっくり見れてありがたいがちょっと不安でもある。
入り口の門で記念写真を撮る人はいるが中に入る人は殆どいないようなのだ。
見た感じでは値段もホーチミンよりは安そうだし。品質も悪いとは思えない。
目当ての画のところに行ってもう一度値段を聞く。昨日聞いたと思った値段よりかなり高い。
昨日はまだはっきり買う気ではなかったのできちんと聞かなかったから聞き違いだったかも
しれない。こういう店はあまりええ加減なことはしないはずだ。
「それやったら買われへんなあ」
「○○ドルくらいのないの?」、
「これはどうですか、この人は新人だからまだ値段は安いです」
「ふん、なかなかええやん」普通の風景画だがちょっと味がある。
「でも日本まで飛行機で持って帰れるかなあ?」
「私どもではきちんと包装しますから、絶対大丈夫です」
確かにえらいがっしりと包装してくれた。おかげで結構大きい荷物になってしまった。
ガラスの額付きやからかなり重い。
まあしかし、日本に帰る楽しみができた。