晩飯を食べるとこ探そ
「次はどうすんの?」、「これで終わりです」
なるほど、時間は若干早いが、案内書に書いてあったコースは全部回った。
さっさと済ませた私がわるいのだ。しょうがない。
「悪いけどホテルまで送ってね」
「今晩の食事とか、明日の予定はどうされるんですか?」
「まだ考えてない」、「何かおすすめはあるの?」
「・・・・・」、「ご要望があったら電話下さい」
どうも何となく噛み合わない。日本語で面倒見てくれる事を期待するのでなかったら
あんまり相手してもらえそうじゃない。
簡単に言えば高くつきそうという事だ。
折角来たんやから、やっぱり一人で歩いて見たい。
ホテルは、地図で見ると、川のこちら側、新市街の大体西の橋だ。フエ駅から歩いて
10分くらいの所だった。
「さてどうしよう」フエについてはあまり情報を持っていない。一応調べてみたが
一般的に旅行者が良く行くレストランくらいしか情報がない。
「まあ、新市街の真ん中くらいまで歩いてみよう」
川沿いの公園に沿って、東に向かう。30分もあるけば着くだろう。
ホーチミンでも経験したが、ベトナムの人はあまり歩かない。歩いているのは
旅行者だけみたいだ。すぐに街角のあちこちから声がかかる。バイクタクシーの
おっちゃんがどこでもたむろして居て手を揚げてくるのだ。
「いらん、いらん」と口でつぶやきながら、知らん顔をするのも感じ悪いので
手を横に振ってにやにやしながら通り過ぎる。
ホーチミンとは違って、どこまでもついてくるという人は殆どいない。
目では、B級レストランを探している。高級ではないが、屋台というほどではなくて
おいしいからはやっていて賑やかそうな店だ。
割と勘がいいほうなので中国ではよく行きあたるが、ベトナムでは確率が悪い。
とうとう新市街についてしまった。市民は少なくて、旅行者が多いみたいだ。
「普通の人は別のとこで食べてるんや」とわかってきたが、どこに行ったらいいか
分からない。高級そうなレストラン以外は、欧米人が好きなオープンカフェみたな所
ばかりだ。
「しゃーないなあ。まあビールが飲めたらええとするか」と手時かなオープンカフェに
入った。すでに欧米人の客がいたからええかなと思ったのだ。しかし、メニューを見ると
ろくなものがない。
「魚は?」、「ないよ」、「野菜は」、「生春巻きだけ」
「ありゃあ」、「まあとにかく一人で乾杯や」