インド、ダージリン、シッキム遊-28、夜明け前にタイガーヒルへ

午前3時に目覚ましが鳴った。今から車に乗ってタイガーヒルというところに
行くのだ。これってテレビ番組で見たことがある。山の上にある展望台に行っ
て夜明けと共に現れるヒマラヤの眺望を見ると言うやつだ。このあたり、あち
こちに世界第3位の高峰カンチェンジェンガのビューポイントがあるらしい。
まあそんなに高い山やから当たり前と言えば当たり前やけど、今は雨季に入り
かけたところだ。天気のいい日は少ない。夜明けに晴れるというのが唯一のチ
ャンスと分かってきた。しかしあいにく天気は悪そうだ。それでも万一の僥倖
を期待して頑張ってみよう。
深いガスの中を車はひた走る。じきに街を抜けて山の中に入っていった。ヘッ
ドライトをつけてもあたりはガスが立ち込めて殆ど見えない。慣れた道なのだ
ろうこんな状態でも運転手は殆どスピードをゆるめないで走って行く。
同じ方向に走る車が何台か現れてきたなと思うころ、入山事務所のようなとこ
ろに着いた。まだ4時前だ。
「よかった。席がありました。」と言いながらガイドさんが戻ってくる。山頂
の一番見晴らしの良い所に屋根のある室内の観覧席があってせいぜい40人くら
いしか入れないのだそうだ。早く行かないとこのチケットが買えないのだと言
う。こんな天気やと見晴らしもさることながら屋根のあるとこで待機したい。
ガスだけや無うてぼちぼち雨も降ってきたがな。
山上らしきところに着く。

暗い濃霧の中に人も車も一杯だ。小さな広場に雨合羽がびっしりとひしめいて
いる。車を降りたらやはり雨だった。バラックの小屋の明かりを頼りに転がり
込むように中に入る。その2階が観覧席なのだそうだ。早く来たんでがらがら、
一番前の一番ええばしょにどかっと座る。
運がええと言うよりはこんな日に観覧席まで来るやつは少ないんとちゃうやろ
か?と思てるうちに人が一気に増えた。

小屋の外でもざわざわが大きくなってきている。雨は小雨ではあるが早朝の雨
はつらいだろう。
最初は少なかった人も一気に増えたようだ。

こんな中を「コピ・・コピ・・コピ・・」と暖かいコーヒーを売り歩くやつが
いる。たくましい。
わしらも部屋の中でコーヒーを飲みながらじりじりと夜明けを待つ。
濃霧は一向に晴れる気配はない。

もう夜明けの時間はとっくにすぎてしまった。
まだ誰も諦め切れなくて、動かない。
わしらが先に動いた頃、皆もう帰ろうと動き始めた。

山を下る途中でも、展望ポイントがあるのか人がかたまっている。

帰りの山道は皆、一斉に下るので歩いて降りる人も混ざってかなりの渋滞だ。
折角早起きしてがんばったけど、天気は時の運やからしょうがない。まして今
は雨季やからうまくいく確率は低いのだ。
それでもタイガーヒル詣でというのは見る価値があったんではなかろうか。


より大きな地図で ダージリン、タイガーヒル を表示

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