高橋三千綱、「猫はときどき旅に出る」
高橋三千綱の本読むのは久しぶりやなあ。あいかわらずハチャメチャなやつが
出てくるやんか。其の名も楠三十郎。
作者本人を彷彿とさせるけったいな作家だ。売れてるような売れてないような。
金があるような、ないような。それで自主制作の映画を作ってえらい借金をこ
さえてしまった、そんな男の大冒険物語だ。
南極の氷でオンザロックを飲みたい話から始まる。
そして映画の売り込みのためにアメリカへ。もともと手馴れた安宿放浪の旅だ。
しかし安宿界隈にはやばい話がごろごろしている。ある日、突然女が襲われた。
絶世の美女だ。しかもその女は男だった。
死にかけた猫を預かってくれと言う。
その猫の運命は?
男の美女の運命は?
三十郎の映画は売れるのか?
はちゃめちゃやけど面白い。話が早くて勢いがある。
そして時々哀しい。
痛快無比な旅の物語だ。
アン・タイラー、「夢見た旅」
奇抜な設定ではあるが、すばらしい物語だ。
ええ本読んだと言う気になる。きっと映画になったのだろう。ならないはずは
ない。
一生旅になんか行けないはずの女がいる。
しかし、今の生活はうんざりだ。もうええかげんにしたい。
一回だけどっか見知らぬとこへ行ってしまいたい。そんな願望だけは持ってい
るのか密かに100ドルだけ隠し持っている。
ある日、女がたまたま銀行にいた。そこにえらいどじな銀行強盗が押し入って
来た。殆ど金をとらずに逃げるはめに。にげそこねて仕方ないから、行き掛か
りでその女を人質に。
そっから逃避行が始まる。
金がないからバスに乗ってにげるのだ。
途中で車を盗む。
男は恋人のもとへ必死で旅をする。女はしかたなくついていく。
しかしこの旅どっちが操ってるのか?
やがて一行は3人になる。
これからどうなる? 警察が迫ってる?
この間に女の一生がだんだんと明らかになってくる。事実は小説より奇なりな
のか? 小説は事実より奇なりなのか?
いやいや実に面白い。興味深い物語だ。
こんな旅の話、実に新鮮だ。
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ありがとうございました。