カズオ・イシグロの「夜想曲集」という短編集を読んでいた。
カズオ・イシグロは私の大好きな作家の一人だ。
とても鋭い感覚で文を書く人だ。
その中で、ある人が、古い友人夫婦を訪ねる一篇がある。
微妙に壊れかけた夫婦。
でも、どちらも何とかしないといけないと思っている。
しかし、
「僕に何ができると思っているんだ?」
「僕に何ができるんだ」
・・僕は落ちこぼれ・・
・・「やっぱり私達やり直さなければ」・・
「そう」
サラ・ヴォーンの「エイプリル・イン・パリ」。
クリフォード・ブラウンがトランペットを吹いている。
・・これが終わるまで踊ろう・・
「確かこのCDがあったはずだ」
ごそごそと探すと、確かにあった。同じ1954年録音盤だ。
クリフォードの珠玉の名演奏だ。
心に響く歌と曲だ。絶妙のコラボレーションだ。
・・・・・・
Never missed warm embrace
Till April in Paris
Whom can I run to
What have you done to my heart?
毎週木曜は映画や音楽、書画に関する話です。