栗田勇、「一休」
最近ちょっと一休さんが気になって本を読んで見る事にした。
一休さんと言ってしまうくらいで、頭の中には漫画なんかでよく出てくる頓知
の一休さんの明るく陽気で頭がいい小僧さん姿が完全にイメージとして定着し
てしまっている。
しかし、驚いた。実はとんでもない破戒と風狂の人だったのだ。
そしてストイックな禅の求道者なのだ。
世の中は室町時代、応仁の乱の頃だ。世の中は災害やら飢饉やら戦争やらと乱
れに乱れた時代であった。坊さんも偉くなるのは金次第と言う時代であったよ
うだ。そういう時代に、みずからは厳しく禅と対峙しながらも、敢て、酒肆淫
坊、つまり酒に狂い女を買って遊んで見せることすらやってみせる「狂」の人
であったようだ。
しかし、そんな暮らしをしながらも禅の高僧として尊敬され、最後は大徳寺の
門主にまでなっていると言う。
その詩集、「狂雲集」はあくまでも鮮烈で高雅でもあるようだ。
ただすごいのはこの人死ぬまでも風狂を貫いた人で、後半生は森女と言う盲の
尼さんと公然と愛し合ったのだそうだ。
すごいねえ。
その頃の詩も強烈だ。
画に中に描いた詩を読んで見て欲しい。
美人の陰なるところは水仙の香りがするのだそうだ。
花園の景色は遠く眺めるのもいいし、登るのもいい。
夜の寝顔は悲しい夢を見ているのか
梅の下には水仙が、仙女が歩くと水仙の香りが漂う。
こんな意味らしい。
すごいなあ。自由自在に生きた人だ。
しかし、自らは無一物、金もモノも名誉も何も求めない人だったのだ。
そういう人の画を下手ながらもちょっと描いてみたかった。
「狂雲集」もゆっくり読んでみないといけない。
ブログランキングに参加しています。もしよかったらポチンとお願い致します。
にほんブログ村
ありがとうございました。