文楽、通し狂言、「仮名手本忠臣蔵」第2部を見た

早く次が見たい。
この日が来るのが楽しみであった。今回も最後列、ここで十分だとわかったの
で安心だ。16:30から21:00まで第2部も長丁場だ。相変わらず口賎しいから飯の
事を考えておこう。前みたいに25分で走り回るのもやってみると面倒くさいし
今回は終わってからちゃんと食べればええやという時間帯なんでとりあえずコ
ンビニでおにぎりを2個調達。最近このパターンが多いなあ。
席に着くと周りは外国人が多い。こういう事に興味をもってもらえるのは嬉し
いなあと思うが、若いがでかい女性が窮屈そうに座席にはまってるのはちょっ
と気の毒でもある。先が長いぞ。
出だしは「祇園一力茶屋の段」から。
遊興三昧と見せかけた由良助の本心を確かめようと、敵からも見方からも様々
なアプローチがある。白を切り続けるところへ顔世御前から密書が届く。
こっそり読む由良助、おっと油断大敵、隣の2階からは遊女お軽が、床下から
は師直の密偵、斧九太夫が覗いている。読まれたと知った由良助はお軽に見受
け話を持ちかけ、2階から降りろという。梯子は高い。「おお怖、危ないと」お
りるお軽を下から覗き、「洞庭湖のお月様が見える」とふざける。陽気なエロ
スが面白い。
次の段は「道行旅路の嫁入」で加古川本蔵の娘小浪に母戸無瀬がつきそって許
婚の力弥の下へ旅の有様。文楽通でないんでちと退屈。
「雪転しの段」でも由良助とお石のからみで少々エロスがこぼれる。人形とは
言え、男女の機微がうまいなあ。
圧巻は、「山科閑居の段」、始めは豊竹嶋大夫さんと言う方でしょうか。絶唱
に次ぐ絶唱。舞台よりも浄瑠璃に釘付けになってしまう。こういう時後ろから
全体を俯瞰できるのが絶妙の見方になる。
やっぱり声と芸で鳴かせるんやね。又泣いてしまった。となりの外国人の女性
はとっくに諦めてかえってしまったけど前の外国人なんかは変な爺さんが泣い
てるのを見て不思議やったやろね。でもやっぱり心が震えてしまう。
小浪と戸無瀬は力弥とお石に冷たくされて死のうと思ったが、止めに現れた加
古川本蔵が力弥に刺されて無視の息。
最後に由良助が本蔵に本心を明かす。ここを演るのが竹本千歳大夫が病気で代
役と放送があった呂勢大夫さんでしょうか。代役かと思って聞き始めたら、何
の何のの大熱演。此の部分も大感動だ。
舞台の右の外れで浄瑠璃と三味線の大熱演。中央から右手では由良助と本蔵の
臨終の場面。中央から左手では、お石と戸無瀬が手をとりあっている。一番左
では、力弥が小浪の手をとって、そろそろ隣の部屋に行こうかと誘っている。
あら恥ずかしいけどうれしいわと小浪が続く。
修羅場と人情場と恋愛場を一つの舞台でいっぺんにそれも機微の端々まで演じ
ているように見える、それを声を張り上げて謡いあげる語り部がいる。
すごいなあ。
それに、これを一望できる後ろの席ってええやんか。
日本の文化、難波の文化に大拍手やね。
やっぱり涙ぼろぼろでした。

気になったのはうしろの屏風、李白の黄鶴楼、西楼月・・って言う詩やね。
いよいよ出発やと言う決意と「諾」、一旦引き受けたからには志は変えないと
言う意思をあらわしてんのやろね。

これからも値段の安い後ろの席で文楽を堪能しよう。

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ありがとうございました。