吉本隆明、「宮沢賢治の世界」
宮沢賢治が好きだ。と思っていた。子供の世界が描かれている。素朴な農民の
世界が描かれている。純粋な人たちが出てくる。幻想的だ。夢がありそう。等
々とステレオタイプ的な先入観で一部の本を読んでいたに過ぎなかった。
この本を読んでそういうモノ知らずな自分を大いに反省させられた。
さすが、吉本隆明、きちんと理論的に理解させてくれそうな内容だ。本当に理
解できたどうかは又別の世界。
宮沢賢治の作品には科学を学んだ科学者としてのものの見方考え方という一面
と、若い頃、法華経に心底傾倒し、東京で宗教活動すらしていたという宗教者
としてのものの見方という一面が混在していると言うのだ。
そしてそういうものが風景と心象の不思議な融合となって作品の中に現れる。
あるいは夢と死後の世界の自然な融合となって現れるのだと言う。
宮沢賢治の作品を読んでいて何となくいいなと思いながら読んでいてもどこか
しっくり分からないところがある奇妙な違和感の部分に光を当てられたような
気がして少しすっきりした。
なるほどこういう視点を持ってもう一度宮沢賢治の本を読んで見たいと強く思
った。
雀野日名子、「終末の鳥人間」
勝手に週末の鳥人間と思い込んで、鳥人間コンテストに挑戦する若者達の根性
物語みたいなんやろと思って読み始めた。似たような部分もあるし、そう思っ
て読むのも面白いと思う。鳥人間コンテストは大好きなんで、毎年テレビで見
ている。ある時は友人たちと琵琶湖まで実際に見に行ったことがある。夜明け
前から海岸で待機していたのだ。皆で力を合わせて組み立てた機体がみごと人
の力で空を飛ぶと言うのはわくわくするではないか。
と思っているうちに話は段々と違った方向へ。
軍事的に暴走した日本と北朝鮮がいよいよ本気で・・・とか、今なら隣の某国
とでも本当に起きかねない事態に進んでいく・・・。面白いような。荒唐無稽
なような。ありえるような考えがええ加減過ぎるような。でも、気いつけんと
ほんまになってしまいかねんような話が次々と起こって・・・。
それで、とうとう「終末」へ突入するのだろうか?
こういうのは、「ホラー小説」と言うのに分類されるんやろか。ようわからん
けど、何かあったらいきなり超能力や超常現象がでてくると言うやつだ。たま
には気楽にこういうのを読んで見るのも一興だ。
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ありがとうございました。