最近読んだ本、「中継地にて 回送電車Ⅵ 」、「煽動者」。

  • 2024年10月18日
  • 11人

「中継地にて 回送電車Ⅵ 」

堀江敏幸  著。

あじあん

くちすう、とその人は小さな声でつぶやいた。 口数が少ない? 言葉の口を吸う?

舌鋒鋭いわけでもないし、饒舌でもない。
しずかな語り口やけど、だんだんとこの作家の世界に引き込まれていく。
気がついたらどっぷりと読んでいる。
とても良い。
白内障の手術前、ドキドキしながら病室で、一気に読んでしまった。
深いところで心に沁みてくる。

いちはやき遅れ
くちすう、とその人は小さな声でつぶやいた。 口数が少ない? 言葉の口を吸う?
きくいもしのはなし
硝子戸の中 井桁の菊 喜久井虫あだな 木喰い虫
蛍を踏みにじること
鰻の肝でなく鱧の皮 刃物川に変貌させる魔法
自転車に御乗んなさい
漱石 ロンドン 下宿屋のおばさん
坑夫 それから 明暗 を追う
私はあたまをかかえた
そもそも茶碗に珈琲をつぐなんてふつうの感覚ではありません?
遠回りの思想
迂回生産 事案と金をかけて道具をつくる
発語のくちびる
ひょっとしたら ひょいとしたら 林芙美子の短編
鞠足の発する言葉
飛鳥井雅経 み吉野の秋風さそふさよふけてふるさと寒く衣打つなり 言葉のパス?
藤原為家とは
暖かいホットケーキの逆説
織田作之助 青春の逆説 1銭の金を
吉田秀和 中原中也にフランス語を習う
伊藤整には英語をならった。
モーツァルトはね、もうわかってもらえないことをわかってたと思う。

とても良い。

 

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星四つ半。

「煽動者」

ジェフリー・ディーヴァー 著

あじあん

パニックが人を凶器、狂器にする。

それを知り尽くした愉快犯なのか?
あらたな犯罪の手口? 本当は何が狙い?
何と恐ろしい。
四月四日 火曜日 パニック
モンテレーベイ・エリアのナイトクラブ、10代の娘の付き添いで夜のライブ。
始まる前、煙の匂いがしてきた。非常口へ行く人たち、一気にパニック。
大きな流れができて連れていかれる。自由に動けない。そして悲劇が。
押し潰されて、足が・・・ 腕が・・・
そして死んでしまった人も・・・
何と恐ろしい。
火は出てなかった。 3つある非常口は塞がれてた。大型トレーラーが勝手に動いた?
もしかして、誰かが動かした?
キャサリン・ダンス、ボディランゲージ手がかりに人の思考を読み取るキネシクスの専門家。
犯人を追う。
きっと何か手がかりが。
そしてまた。
またまたパニックが。
今度は非常口が開いてる。閉められなくされている。
それが罠になった。
なぜ・・・・?
恐るべき犯人。
きっと手がかりが・・・
すこしずつわかったことがある。
ネット上にも・・・
ロスに飛ぶ。
そして・・・
何と恐ろしい。
きっかけさえ作れば。誰もがパニックになって、勝手に大惨事を作ってくれるのか?
何と恐ろしい。

この本、とても面白い。
さすが、巨匠、ジェフリー・ディーヴァー。
新たなスタイルでまたまた夢中にさせてくれる。
とても面白い。

 

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星四つ。

あじあん

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