あさからえらい学院の中が賑やかだ。ビルの中庭にパネルが張り巡らされてなにやら美術作品が沢山 運び込まれている気配がす どうやら学生達の作品の展示即売会があるらしい。 学生達の自主運営なのか全部自分達でやってるらしい気配だ。おもしろそう。授業が終わったら行って 見よう。
いい作品が多いので早くいかないと売れてしまうと聞いた。急いで行こう。 昼休みの時間でもうすでに人がいっぱいだ。レジの女の子は、ぎっしりした百元札の札束を握り締めて いる。もうこんなに売れてんのか。 まずお目当ては、水墨画だ。 すごい。うまい。しかし高い。値段は学校側あるいは先生がつけているらしいがよくわからない。 しかし、適当につけているのではなくて作品のレベルに応じて相応な価格がつけられているというのは 見ててもわかる。それに学院の印がつけてあるからお墨付きもありということだ。 杭州の中国美術学院は中国で一番レベルが高いと聞いた。だから、学院のお墨付きがあれば買っておいて 損はないし、上手な学生は有名な画家になるのも決まったようなものだから将来への投資と考えても いいのだろう。一般の人も、あるいはバイヤー達も買いに来る人が多いのだそうだ。 欲しいなあと思うような作品も多い。 しかし、持って帰るのが大変やし、留学生の生活感覚から言うとやっぱりちと高い。 目の保養と言うことにしておこう。 人ごみの中をぐるりと回ってみていて、ふと振り返ると、一緒にいた友人が、テレビか何かのインタビュー につかまっている。「こりゃあ、あかん」、わたしが捕まっても、何も受け答えできへん。 ひきょうではずかしいが、こそこそ逃げ出そう。 それで後ろをぐるりと回って、陶磁器の方へ。 さすが、龍泉窯の本場だ。青磁の焼き物が多い。 ここにもいいものが沢山ある。
しかし、陶磁器の方が値段が少し手ごろなのか、いいなと思うものは殆ど売れてしまっていて、作品には もう値段がついてない。残念だ。 まあ、陶磁器もかさばるし重いのでよほどのものでないかぎり買えないけどね。 しかし、こういうものが飛ぶようにうれるなんて、この学院の実力はすごいねえと思う。 それに中国の美術品バブルもすごいんやねえ。 外にでたら又雨が降ってきた。この時期杭州では雨が多い。小雨の中を道路に水を撒く車がいつもの哀愁 を帯びた音楽を鳴らしながら走っている。 雨が降ると涼しくなって気持ちがいい。