最近読んだ本、「女三人のシベリア鉄道」

  • 2012年5月9日
  • 5人
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森まゆみ、「女三人のシベリア鉄道」
この本、非常に良かった。読み応えのある本であった。
中国留学前に、向こうで読む本が要るなと思って本屋さんい行ったらたまたま見つけたのだ。
ちょっと以前に、「百合子 ダスビダーニャ」と言う映画をみて、宮本百合子と湯浅芳子の生き方や
その時代の空気がなかなか興味深かったので、その中で2人はシベリア鉄道でモスクワに行ったという
話があったのを覚えていたのだ。
女三人それぞれのシベリア鉄道を追いかける物語だ。
与謝野晶子は、東京ー米原ー敦賀ーウラジオストックーハルピンーモスクワーワルシャワーパリを行く。
男前というだけで働きのない鉄幹さんを支援しながら、とうとうパリまで留学にやってしまった。
並み居る恋敵をすべて蹴散らし、十数人の子供を産んで、すごいとしかいいようのない女性だ。
歌を詠み本を書いて働きながらとうとう自分も追いかけていく。
しかもこんな歌がしらっと詠めるってお見事だ。
旅の良人も,今ごろは
巴里の宿のまどろみに。
極楽鳥の姿する
わたしを夢に見てゐるか。
宮本百合子達は、東京ー京都ー下関ー釜山ー奉天ーハルピンーモスクワ
林芙美子は、東京ー名古屋ー大阪ー下関ー釜山ー奉天ーハルピンーモスクワーパリ
昔は、下関から奉天、ハルピンまでずっと行けたんやなあ。
それぞれの女達は、恋人を追いかけ、あるいは恋人と一緒に西へ西へと向かう。
そしていろいろな出会いがある。
この本は旅の物語でもあり、歴史の一ページを垣間見るものがたりでもある。
思うに日本の、この時代を生きた人たちって、自ら行動して何かを切り開いていった人たちが多かったし、
そういう時代の空気があったのだと思う。今のようにテレビでおもしろおかしく人の揚げ足取りばっかり
やってて、世の中に閉塞感が満ちてくると、ひたすら世直し人を待つだけってええんやろか。
一票いれるだけですべてがよくなるわけではないやろうに。

そんなことはええとして、ああ、やっぱりシベリア鉄道に乗ってみたいなあ。
昔トーマスクックの時刻表を見たときは、確か、ほぼ5日間くらいの旅やったはず。途中下車したら
ほぼ一週間次が来ない、そんな列車だったと思う。
行くには勇気がいるけけど面白そう。
食いもんはどんなやろ。寝台はとれるのか。トイレはどやねん。
この本見たいやったら結構不安やけど。
最近はあちこちで列車に乗り始めてるからなんとかなるやろ。
この本に出てくる、大連ー瀋陽間、新京ーハルピン間は列車に乗ったことがある。
大連駅は確かに上野駅そっくりだった。大連ー瀋陽間の寝台車は清潔とは言い難いが問題があるほどではなかった。
新京ーハルピン間は新幹線みたいなやつでこれも快適だった。
問題はその先やね。でも行ってみたい。
知らなかったが、ロシアではエリツィン時代になってからニコライ2世を始め、ロマノフ王朝人気が盛り上がりつつ
あるのだそうだ。ここでも時代は大きくかわりつつある。

この本に出てくる、ワルシャワの街にも行ってみたくなった。ワルシャワ旧市街広場ってよさそうだ。
戦乱で破壊されることを見越してワルシャワ工科大学教授とその弟子達がこの街の景観を残そうと全て図面に
しておいたのだそうだ。そして、見事に復元されたのだそうだ。
中国から帰ったら行きたいとこ、一杯やなあ。

hon120509

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