映画、「フラメンコフラメンコ」

もう30年くらい前やろか、「スーパーギタートリオ」の演奏をジャズ好き仲間と
聞きに行った事がある。と思う。
もはや記憶は定かではない。しかしそういう風に覚えている。
多分メンバーはパコ・デ・ルシア、アル・ディメオラ、ジョン・マクラフリン。
その時フラメンコギターの超早弾き超絶技巧におどろいくとともに、えらい
カッコエエなと思った。
それでレコードを買った。アル・ディメオラの「エレガントジプシー」だこれも
カッコエエ。ジャズ、フュージョンとフラメンコの融合だ。何の違和感もない。
この中の「地中海の舞踏」という曲が、パコ・デ・ルシアとアル・ディメオラの
火花が飛ぶような超絶早弾きのセッションだ。
すごい。
左手で弦を押さえる、右手で弾く、それだけの動作のはずが、まるで舞台の上の舞姫の
踊りを見るようにあでやかに素早いのだ。弦を次々に押さえていくというよりは
ダンサーが素早く交互に足を動かして床を踏み鳴らしているかのようだ。
上から下へ、下から上へ、音の奔流が溢れだすのだ。
そういう記憶が頭のどこか袋小路の端っこのほうに塊で残ってたらしい。

「フラメンコフラメンコ」と言う映画があるというチラシを見た時、どっかに
パコ・デ・ルシアの名前が出てた。それでつながった。そうか、歌と踊りの中で彼の
ギターを聞いたらどんなんやろ、それがそもそも彼の本来の場所なんやからと思った。
「なかなか出て来えへんなあ」と思ってたら、ほとんど最後の方にやっと出てきた。
早弾きは早弾きだが、もう往年の火は吹かない。
巨匠の円熟があった。
簡単に言えばちょっとおもろない。

映画はなかなかいい。解説は一切なくて、淡々と歌と踊りとギターが演じられていく。
時には、エゴン・シーレの画のように。
時には、グスタフ・クリムトの画のように。
あたかも世紀末のような華麗と不安と享楽と哀愁の心が漂うかのようだ。

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それにしても、舞姫や歌い姫のみなさん、滅茶綺麗で魅力的やけど、
結構いかついですなあ。
私見ですが。

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ありがとうございました。