台湾の故宮博物館にあるお宝は北京にある故宮博物館の中にあったものを戦時中の混乱で
壊されたり、盗られたり、散逸したりすることから守るために密かに持ってこられたもの
だというのはよく知られた話だ。
当然、北京の故宮に行ったら殆ど建物だけで何もなかった。
そうではあるが、台湾には全てのお宝を運ぶ事ができないで、大陸に残されたものも多い
という話も聞いていた。そういうもののかなりの部分が南京博物館にあると聞いて見に行った
こともある。確かに陶磁器についてはすばらしいものがおおかったが、書画などはなかったのか
見せていなかったのか、すばらしいものを見る事ができなかった。
この本は、動乱の中、北京の秘宝が台湾に渡るまで、各地を転々と苦労して運んだ足跡を
追いかけたものだ。
台湾での苦労話は前に紹介した、「巨流河」でもふれられていた。
しかし、戦乱の中であれだけ何千箱にもわたる膨大な秘宝を傷つけずに移動させていった
執念たるやどえらいものだ。
しかし、残った秘宝の所有権についても、北京故宮博物館と南京博物館では対立があるという。
わからん国だ。
台湾には黄公望の「富春山居図」があって、昨年展示された。友人は即座に見に行ったが
わしは用があって行けなかった。つぎは何時やろう?
北宋時代の開封の街のにぎわいを描いた、「清明上河図」は幾つかの模倣作品があるらしい。
やっぱり本物は台湾かな? 出たら是非見たい。
長嶋康郎、「古道具、ニコニコ堂です」
実際にこんな店があって、この本に出て来る『ニコニコ堂通信』というのは実際に発行
されていたものらしい。
おたくのようであって、マニアック風ではなくて、飄々とさわやかな変った人という
感じがする。
実に見事な生きざまのような気もする。
モノをよくみていれば、どんなモノも語る言葉を持っているというのがよくわかる。
こんな風にモノを見て、こんな風にモノと暮らす生活をいつかしてみたい。
高価な骨董品に目を向けなくてもモノを集めて、モノと向き合う楽しみは幾らでも
あるというのがよくわかった。
かなり啓発されたなあ。
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ありがとうございました。