最近読んだ本、「誰も知らない熊野の遺産」、「アノニム」

  • 2017年10月20日
  • 3人

栂嶺レイ、「誰も知らない熊野の遺産」
こないだ熊野古道の小辺路を歩いた。緑が蒸れ出すような深い森の中を登ったり
降ったり
するような旅だった。昔から紀州の山の中は好きやけどやっぱりええなあって
思った。
百夜月
熊野の山の奥、川向こうに小さなお寺があった。そこで修行する若くて美しい尼僧に
会いたいと若者が月の光をたよりに舟で渡ろうとするが99晩ことごとく失敗する。
そしてとうとう百晩目、今日こそは、でもダメよと母に諭される。
尼僧は月の光に守られているのだ。
そんな民話の場所がある。とてもええではないか。しかし、今は簡単には渡れない。
その尼僧とは、高貴な血筋の方なのか、民話の謎をさぐる?
九重
和歌山県には不思議なことに厳島神社がいくつもある。
なぜなのか?
そして森の中に広大な棚田の跡が。雲海の中に見え隠れするそうだ。
どうしてこんな暮らしがなくなってしまったのか?
幻の玉置街道
熊野古道で有名な玉置神社の表参道はもうなくなってしまったのか?
昔の賑わいはなぜなくなったのか?
単なる熊野古道歩きの情報発信というだけではなくて、そこにまつわるいろんな
暮らしやそれにまつわる民話や伝説、その意味を探って山の奥深くまで訪れ、
印象的な写真をたくさんとっている、そういう本だ。
竹筒
花井
三十三間堂
前鬼
徐福
那智の火祭り
太地のクジラ
・・・・
これを読んでると熊野の山で行きたいところがいっぱい出来た。
今では、紀州熊野の山も乾いてしまった。ポタポタ木からおちる山蛭もいてへんし、
山姥や精霊も見当たらへん。それでも山道のここかしこには心が引き締まるような
気持ちがするような場所がたくさんある。
そういうところへ一杯いってみたい。
体力をつけて頑張らねば。

原田マハ、「アノニム」
面白いミステリーだ。この人の作品は絵画あるいはその作者が主題になってるんで
内容にかかわらずつい読んでしまう。時には感動するし、時には心惹かれるし、
ときにはチャラさに驚いたりする。
これはどうなんやろ?
時は香港の学生たちによる民主化運動の最高潮。
そんな時に香港で壮大なオークションが開催されることになった。
目玉はアクションペインティングの世界を切り開いたジャクソン・ポロックの
幻の作品、「ナンバーゼロ」らしい。
オークションを主催するのはサザビーズ、そこの花形オークショニア
パトリック・ダンドランが采配する一大イベントなのだ。
そして、今まで狙った獲物は合法、非合法にかかわらずどんな手段を使ってでも
手に入れて来たという悪魔のような黒幕がいる。
さて、その黒幕ははたして、「ナンバーゼロ」を手にいれることができるのか?
謎の集団アノニムとは何ものなのか?
人たらしの名人? 天才建築家? 貴族でコレクター、天才エンジニア?、美術修復の名人?
かれらの目的は何か?
そして張英才とは?
学生運動が盛り上がる中、事態は着々と・・・・
誰の思惑通り?
ええもんか?
悪もんか?
そして結末は?
とても面白い。
一度一読あれ。
アクションペインティングの世界ってようわからんなあ。

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ありがとうございました。