最近読んだ本、「張愛玲、愛と生と文学」、「映画館(こや)がはねて」

  • 2012年1月16日
  • 1人
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ちょっと前に、張愛玲の小説の事をこのブログに書いたら、コメントを頂いて、この本の事を
紹介していただいた。こういう事でどんどんと世界が広がっていくのが楽しいし、ありがたい。
池上貞子、「張愛玲、愛と生と文学」
張愛玲の文章って、かなり気になっていた。名文、あるいはすばらしい文学という感覚のもの
とは思わないが、何故か気になる。
時には、どきっとするような言葉使いや、これはすごいなと思う表現が出て来る。
それに、これって紅楼夢やんと思う空気がよく流れる。
時には作為に満ちたと思える表現が続く。
鋭く美しいがえらく屈折しているようでもあるのだ。
ということはえらく魅力的だということになる。
それは何故か。
この本を読むとよくわかる。
祖父は清末の官僚、祖母は名将、李鴻章の娘と言う良家の家柄に生まれているが、
父母の離婚、父親との不和、日中戦争から革命へと続く動乱の中で、彼女の小説を読むような
屈折した人生を歩んでいるのだ。日本とのかかわりも深いと言う。
紅楼夢に関しての著作もあると言う。
そんな中で殆どブレることなく独特な生き様を貫いた人だった。
多分、魅力的ではあるがすごく付き合いづらい人だったんやろね。
「伝奇」と言う本、一度中国語で読んで見たい。
無理かもしれんけどね。

hon120116-1

山田洋次、「映画館(こや)がはねて」
これもある人に勧められて読んだエッセイだ。
題をはっきり聞かなかったので、そのものかどうかはよくわからない。まあ大体似たようなものだろう。
山田洋次監督が満州出身だとはしらなかった。小学生の頃から家族で満州に暮らして中学生で敗戦、
引き上げとなったのだそうだ。
大連、瀋陽、新京、ハルピン、どれも行ったことがある。
描かれた風景と重なって懐かしくなる。
文の中から、人を見る目の優しさが立ち上がってくる。
深淵を見た人は優しい目になるのだ。
そうなると、あんまりちゃんと見た事がない「寅さん」一回見とかんとあかんなあという気になった。
適当にうわべだけで偏見を持ってはいかんのだ。
といいながらもちょっと、いやかなり心配ではある。

hon120116-2

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ありがとうございました。