最近読んだ本、「画狂其一」、「解錠師」。

  • 2021年7月1日
  • 1人

梓澤要、「画狂其一」。

大分前にBSのなにかの放送でメトロポリタン美術館の特集を見たことが有る。
日本のお宝美術品がずいぶんと収蔵されているという話だ。
中でも特筆すべき作品として鈴木其一の朝顔図の話があった。
師匠の酒井抱一よりも更に斬新、大胆な、現代風ともいえる感覚の素晴らしい絵という
解説であった。
はるか昔にメトロポリタン美術館を訪れたことがあるけど、残念ながらこの絵は展示されてなかった。
今までもいろんな美術展は見るけどあんまり、其一の絵は見たことがない。
こういう番組や美術誌なんかで見るだけだ。
それで、名前は知ってるけどどんな人かつゆ知らずでここまで来てる。
たまたま、この本を読んでえらく興味をひかれた。
これほどまでに酒井抱一と密着した暮らしをしてたのか。
いわゆる内弟子としてほぼ一緒にくらしてたのだ。
抱一の光琳への思いと傾倒に引きずられ、引き回されながら育って行った。
あの風神雷神図の裏に描いた「夏秋草図屏風」の完成も目の当たりにしながら。
そして抱一が死んだ。
噲々其一、「夏秋渓流図屏風」誕生。
菁々其一、「朝顔図屏風」が完成。
其一の波乱万丈の人生。とても面白い。
改めて画集を見直そう。
すごい。

スティーヴ・ハミルトン、「解錠師」。

マイクル少年は口がきけない。
ある日、出ていった父が突然現れて目の前で母とその恋人を殺す。少年は箱に閉じ込め
られて川を流れ、奇跡的に助けられる。
それ以来だ。
小さな酒屋を営むリートおじさんに引き取られ大きくなる。
学校ではグリフィンだけが唯一の友だ。絵が共通の趣味。
マイクルはとても絵が美味い。素人の域を越えているのではないか。
ある日、子どもたちはマーシュの家に忍び込む。アメリアがいた?
何故かマイクルだけが捕まった。そしてどうなる?
マイクルはリートおじさんのすすめで鍵の仕組みを習った。そしてある名人に
解錠の手ほどきを受けていた。
マイクルは売られたのか?
解錠の技でしなければいけないことができた。
危機を乗り越える度に大金が手に入る。
ポケベルがなると仕事がくる。
ポケベルの色で仕事が違う。マイクルは段々と危機に近づく?
果たして捕まってしまうのか?
アメリアはどうなる。彼女の心は?
マイクルはしゃべれない。絵で会話?
危機から危機へ。
手に汗を握る。
とても面白い。

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