最近読んだ本、「黄昏に眠る秋」、「ソーラー」

  • 2011年12月18日
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ヨハン・テオリン、「黄昏に眠る秋」
よくできた本格推理小説だ。ストーリーも上手いし、仕掛けも十分だ。
舞台はスウェーデン、霧深いエーランド島。ある日その濃霧の中で幼い少年が消えた。
それは痛ましい事故だったのだろうか?
母ユリアは何十年もたった今でもあきらめきれない。
「きっと殺されたんだわ」
ある日祖父イェルロフの所に不思議な郵便が来た。少年の靴の片方だ。
これは何を意味する。
あの霧深い日に何があった。
うらぶれた海辺のリゾート地。
第2次大戦の頃、この島から逃げ出した男がいた。海はどこまでもつながっている。
遥か南米の地でこの男はどうなった。
死んだはずの男の墓に何があるのか?
イェルロフは老人ホーム暮らし、推理し追い詰めようとする彼にも危険が迫る。
いやあ、良くできた推理小説。風景描写が又良い。読み応えのある本であった。

hon111217-1

イアン・マキューアン、「ソーラー」
あいかわらずストーリー作りが抜群に上手い人だと思う。
デブで大食らいで狡猾で女好き、浮気ばかりしている、ビアード。
ノーベル賞学者だが最低の男だ。とうとう奥さんにも愛想をつかされ、奥さんは
毎日恋人に会いに行っている。
そしてある日事件が。事件が事件を呼んでいるうちにどんどん大きくなる。
ノーベル賞学者も今は新しい発明ができない。
そこへお誂えむきに太陽熱の大発明が。ええいパクってまえ。
ソーラー技術、光合成、風力発電に環境問題、時機を得たテーマがずらりと
盛り込まれている。
話は単純な殺人事件としか思えないが、その展開が実に面白いのだ。
ダメな男が一生懸命努力して、挙句の果ては・・・
どうなるんでしょう。

hon111217-2

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