やっぱり魔性の辛さ、「カシミール」

突然無性にあの激烈辛さのカレーが食いたくなった。「カシミール」へ行こう。
それで午前中に用を済ませて、まあこれくらいかなと思いながら14時過ぎに店に
着いた。「本日仕込みの為、休ませていただきます」という貼り紙が見えた。
「あっちゃあ、休みや」となると余計食べたくなる。
「しゃあない」一日待って翌日再び挑戦だ。こんどは13時前だ。後でちょっと用が
あるので早くすませようとの魂胆だ。しかしその魂胆をあざ笑うかのように、
「本日は13時30分頃開店の予定です」という貼り紙がある。
「どないしょう」まだ誰も並んでいない。ちょっと頭を冷やすためにその辺をぶらぶら。
「皆さん貼り紙をみて時間調整してるんかなあ」と思いつつ歩いていたが、
「やっぱり並ぼう。たまに一番になるのもええやん」と思い店の前に戻った。
幸い今日は分厚い本を持ってきている。ぼちぼち他の人も並び始めた。
本は進むが扉は開かない。何となく頭がボーっとしてきた。腰もやばいかもしれない。
時計を見るともう14時近い。
「やっとあいた」
ぞろぞろと中に入るが頭が別の世界に行ってしまって、カレー屋さんのカウンターに
坐った現実感になかなか戻れない。
「???」、「おっと注文しないといけない」
「チキンでBセット、10カラでお願いします」いっちょまえに常連さん気分だ。
「お客さん初めてですか?」とちょっと不審な顔をされる。素人が無理をしてはいけない
のだ。「いや、2回目でです」それでパスしたようだ。
前はマトンだったから今日はチキンを試してみよう。それに卵付きのセットだ。

カウンターに座ったら本をよんでいる暇はない。一生懸命作っているのを見るのも楽しみの
一つだ。しかも今日は一番だから一回しか見れない。しっかり見ておこう。
あいかわらずてきぱきと流れるようにあっちの鍋こっちの鍋とルーやらスパイスやら何かわからん
モンやらを迷いなく混ぜ合わせている。その間に野菜を切って入れている。
さあ、仕上げに入った。
フライパンを持って眼を閉じて無念無想の構えにはいったかのようだ。そしてさすが
聞いていた通りミュージシャンだ小刻みにリズムをとっている。
玄米ご飯を盛ってカレーをたっぷりかけてさあ出来上がりだ。

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「辛い」やっぱり辛さが平面で立体で押し寄せてくる。
汗が噴いてきた。「これがええんや」心持ちか前回より攻撃力が少ない。
今回加えが茹で卵がちょっとだけ丸くしてくれたんやろか?ちょっと辛さに慣れたんやろか。
チキンはおいしい。マトンよりここのカレーにあっている。
ぶつ切りの豆腐もあるし、大根もある。トマトもあるし茄子もある。
激烈な辛さのなかにこういう野菜の味と食感が入ってくると面白い。
「ファフ、ファフ」っと食べよう。
やっぱり魔性の味やなあ。
きっと又しばらくしたら食べたくなるやろうと思う。

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ありがとうございました。