最近夢中で読んだ本、トマス・ハリス

  • 2007年5月15日
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トマス・ハリス 「ハンニバル・ライジング」
今回、北京、洛陽の旅の間に全部読んでしまいました。
旅の美味しい後味をかえって壊しかねない、こわい、おぞましい内容の本でした。
この人の本は「羊達の沈黙」、「ハンニバル」と両方読んでいますがこわいので、映画は見ていません。
現実にはありえないが、智的な狂気とか、ある意味での興味深いところに少しは引きずられて本は読んでしまいます。
でも、映像と重なるとかなり引いてしまいます。
表紙をめくると意外な画がでます。
宮本武蔵の「枯木鳴鵙図」です。実はこの画があるのと、ぱらぱらめくっていくと短歌やら、古文から引いた言葉が目についたので買ってしまったのです。
トマス・ハリスの中で日本がどうとらえられているのか興味があったのです。
「枯木鳴鵙図」は若きハンニバルがこの画を練習して売る事でよすぎをするというシチュエーションです。さらに書を基本の「永」の字から練習したという事で、落款も「永」とするようになっています。
あまりにも水墨の世界を馬鹿にしてますね。
紫婦人を軸にでてくる日本趣味も日本刀-腹切り、首実検のイメージを膨らませてのもののように思われます。
武士道とか、日本刀の美とか、死の様式化とかそういう日本の美意識のある部分にひかれてのことなのかもしれません。
食人も含めて、ちょっとねえ。
物語は、リズムもあるし、痛快さもあるんですけどね。

hon070515

毎週火曜は最近夢中で読んだ本の話です。