私の好きな、「仙崖」の画に、花見図というのがある。
花見と言っても桜は端っこに適当に描いてあるだけで、その桜の下でわいわいがやがやと
飲めや歌えのどんちゃんさわぎしているところを画にしている。
こんな画がかけたらたいしたものだ。その賛に
「楽しみは花の下より、鼻の下」と書いてある。
それからとったのかどうかは定かではないが、江戸末期の画帖に、「花の下影」と言うのが
あって、やはり鼻の下の楽しみ。大包口福の画を描いている。
口は禍の元でもあり、楽しみの元でもあるのだ。
大阪の町のあちこちにある評判の食べ物屋を食べ歩いて、その印象を一枚の画にしているのだ。
番場のどじょう汁から始まって、桜の宮のはす飯、源八堤の婆々の汁など、上、中、下の
3巻に渡って、300以上の店がある。
今でもある地名もあるし、もう名残だけになっている地名もある。
そんな場所に実に沢山の食いもの屋があったのだ。
さすが食い倒れの町だ。
しかも実に庶民的な店ばかりだ。その辺を歩いているおっちゃんや、風呂場かえりのおねえさん、
子供連れもいれば年寄りもいる。
当時の庶民の生活が湧きたつようだ。
店の名ももう今では消えてしまっているが、こんな活気と元気が今の大阪の元を作って
いたのだと嬉しくなる。
要するに昔の関西のグルメ絵本なのだ。
私も食べることが大好きな上に、画を描くのもすきだから、できるだけ食べに行って
印象的だった店のことは画にするようにしている。
この本を見て好い刺激を受けたから、元気をだしてまだまだ描き続けよう。
近年は東京の昔の街のたたずまいを偲ぶ話であったり、昔の食べ物屋を思い出す話などが
たくさん描かれているが、大阪や京都の上方を題材にした話はあまりない。
だから、こういうものを見つけるとうれしくなるのだ。
画が描きたまったら、私版、グルメ絵本「花の下影」もどきを作りたいものだ。
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