ポール・セロー、「ゴースト・トレインは東の星へ」
この人の旅の本は好きなんでよく読んでいる。時々、英語を喋らない喋れない
人たちに対する欧米人特有の上から目線のような描き方が気になるときがある
けど概ね面白い。
この本は、前に読んだ「鉄道大バザール」の追体験ものやと書いてあったんで
特に興味がある。前作はオリエント急行から旅が始まった。これもコースは殆ど
同じやけどもうオリエント急行は存在しない。勿論中近東の状況は前の時と
えらい違い。イスラムという宗教の力が席捲しているという感じだ。
面白かったのはトルクメニスタン訪問の話だ。ちょっと変わった独裁国家と思
てたけど、かなり異様な国だった。インドでは、旅の話では普通でてこない
バンガロールを訪問している。ここは仕事で行った事のあるITの街、先端
技術と貧困と混沌が同居した印象的な街だった。
アーサー・C・クラークはスリランカに住んでいたのか知らんかった。
ミャンマー、わしも行きたい。ベトナムの鉄道の旅はわしも経験済だ。又行き
たい。この人、シンガポールにはあまりいい想いを持ってないよう。批判的な
口調が目立つ。
そして日本。あいかわらず理解してもらえてないなあって思う。
精神文化は苦手なんやろか。新幹線ばっかり乗っててもわからへんで。
最後はシベリア鉄道。これはわしも絶対乗りたい。
加瀬英明、「日本と台湾」
この本を読んでよかったと思った。
恥ずかしながら知らなかった事や、漠然と中途半端にしか知らなかったことが
随分はっきりしたように思う。日本の戦後処理のドサクサの頃の台湾、韓国、
中国との関係。何が起きて、何がおきなかったのか。日本は何をして何をしな
かったのか。何故、表向きは国交も断絶しているのに台湾の人は震災であんな
に寄付をしてくれたのか。何故台湾に行ったら暖かい眼で見てくれる人が多い
のか。日本は台湾に何を残したのか。
いろんな事を一杯考えさせてくれる。
決して右がかった論調だと思ってはいけないと思う。
正しい見解だと思う。
台湾に旅行に行ったら、日本の統治時代のいろんな足跡に行き当たる。
酷いこと、不幸なことは沢山あったんやけど、よかったと思って貰えてる事
も確かにあったのだ。
台湾が中国になってしまわないで、一つの国家として独立した存在である事を
世界中の人が認めるようになってほしい。
それが日本と台湾の生き延びる道だというのは正しい見解だと思う。
そうなって欲しい。
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ありがとうございました。