速水御舟の画

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先日、最近読んだ本、「美の猟犬」という話をした。
安宅コレクションの安宅英一の話だ。その中で安宅コレクションには3つの柱があったと
書いてあった。一つは朝鮮李朝の陶磁器であり、二つ目は中国陶磁器であると、成る程
その二つは今では東洋陶磁美術館に入っていて、何度も見に行っている。すばらしい
コレクションだ。これを見て陶磁器の優れものとはどういうものかを勉強させていただいて
いる。
それでは三つ目は何かというと速水御舟という日本画家のコレクションなのだそうだ。
「東洋陶磁美術館にはそんなんないで」と思いながら読んでいたら、安宅産業が崩壊した
時に陶磁器に先んじて、一括して山種美術館に買受けられたのだそうだ。
あのような陶磁器の名品を見極める審美眼に適った画というのはどんなんなんやろうと
非常に気になった。
早速本を手に入れて見て見よう。

「なるほどなかなかええやんか」と言ってしまうとえらそうすぎる。
「信じられへん、こんな画、絶対描かれへんわ」というのが本当だ。
超絶技巧ではあるが、伊藤若冲や曽我蕭白のようではない。
正確で斬新ではあるが、丸山応挙のようにゆるぎない画をかくわけでもないし、長澤芦雪
のように自由無碍の世界を遊ぶわけでもない。
幽玄ではあるが、むしろ西欧絵画に近いかもしれない写実的な画が多いなと私は思った。
水墨画の技術を下地にした作品も沢山あって、私としては惹かれるものが多いが、
その技術に感心するだけで惚れこめないものもある。
あの陶磁器の素晴らしい審美眼と同じ目線で集められた画の数々だとすると、私には
よく理解できない部分もあるのだ。
「好みの問題や」と言う前に、画を見るための何か重要なポイントを私自身がまだ
わかっていないのに違いないと思う。

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それにしても色々な技法が試みられている。
夥しい試作のなかで生まれたものだろう。
いろいろな事に挑戦して、おのれだけの新しい境地を創っていかないといけないと言う事を
深く考えさせられた。

お金があれば自分の審美眼の赴くままに美の追求ができて楽しいだろう。
お金のない私は、コレクションされうるものを生み出せるよう頑張ろう。
無理かもしれんけど。

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ありがとうございました。