水墨画をやっているとき、いつもは山水をメインに練習をしている。
しかし、基本は人の営みを描きたいので、旅のスケッチやら街のスケッチ、
ごはんやさんのことやらいろんな事を画に描いて楽しんでいる。
花や鳥にはあまり興味が向かなくて、時には野菜などを描いてみたいなと無性に
思うことがある。
作物があって、人はそれを食って生きている。
その存在感を描くのが面白いと思う。
その作物が出来る過程もまたおもしろい。そういうのはもっと描きたい
四季農耕図というやつだ。
水墨画や日本画の巨匠、名手といわれる人達の画をみていると、見事な野菜の画を
見る事がある。存在感がすばらしい。
「ええなあ」、「さすがうまいなあ」と思う事しきりだ。
しかし、自分で描いて見るとなかなかうまいこといかない。
簡単に言えば下手なのだ。
たまたま手元に玉葱があった。皮の色と透明感がおもしろかったのでちょっと
描いてみた。
画の上に書いてある賛は、中国の詩経という紀元前数百年ころ書かれた俗謡のような
詩集の中から農耕のよろこびみたいなことを書いた部分を写したものだ。
詩経のひん風、「ひん」という国の謡の中にこんなのがあった。
・・・・
六月に庭梅と野葡萄を食い
七月に寒葵と豆を煮る
八月には棗をもぎ
十月には稲をとりいれる
これで春酒のしこみをして
長生きのお祈りをする
七月に瓜を食い
八月にひさごを切る
九月には麻の実をひろい
にがなを摘み薪作り
こうして農夫たちをくらさせる
・・・・
:「詩経国風」白川静 訳注 平凡社 東洋文庫より
詩経はいろんな文人画家の画の題材として引用されているが、呪術的な意味合いも
強いばあいもあって、漢字も難しいし、意味を理解するのも難しい。
が素朴な心が根底に流れている。
それにしても字も画も上手になりたいものだ。
修行、修行やね。
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ありがとうございました。