映画、「エクレール お菓子放浪記」を見た

この映画すごいです。
すばらしいです。
舟がでる。ゆっくりと運河を下る。山は緑だ。船頭が棹を押すごとに少しずつ前に進む
少年には希望がある。
出口のない暮らしからやっと抜け出せるのだ。
不安と喜びで体を硬くしている。
老女が船尾でじっと下を向いている。顔をあげた。
黒いメガネをかけている。
岸辺の小鳥も息を呑んだかのようだ。
痩せこけて干からびたような体に黒っぽい羽織を着て座っているが、その姿に
老いは感じられず、ぴっとのばした背筋に凛とした存在感が漲る。
これだけで一幅の画ではないか。
下町のあばら家の破れ戸を押し開いて老婆が家に帰ってきた。
「やれやれ」
畳の部屋で向こうむきにぺたっと座って、背筋をのばしてこちらを向く。
これも画になっている。
そして張りのある大きな声で啖呵をきる。
「ばかやろう、お前なんかどっかへいっちまえ」
ええなあ。かっこいいのだ。
「いしだあゆみ」ってすごい役者だったのだ。
すばらしい存在感だ。この映画の最初から最後までずっとおいかけていた。
映画は、第2次大戦前夜の東京だ。
街には貧困と頽廃が溢れている。孤児になってさまよう少年はとうとう感化院送りに
なってしまった。おきまりのいじめとリンチの中で、あこがれの女の先生に
エクレールというフランス菓子の歌を教えてもらう。
老女に苦境から引き出してもらっても器用には生きられない少年。
すさんだ暮らしが続く。
先生と甘いフランス菓子だけが少年の夢だ。
さて、老女と先生と少年はどうなるのだろう。
劇場でじっくりご覧下さい。

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ありがとうございました。