灼熱の火焔山、砂漠の廃墟

 朝から日帰りでトルファンに向かう。高速道路が整備されているので、片道大体2時間半くらいの行程だ。雪を頂いた天山山脈を見ながら、砂漠の中をひた走る。ちょっとだけシルクロードの旅の気分。途中に、風力発電の風車地帯。確か、米国のカリフォルニアにで見たのが世界最大だと聞いたけど、ここのも結構圧巻であった。

kaen060828-1

 ウルムチから峠を越えてトルファンに入っていくが、このあたりは、盆地とは言え、海抜はかなり低いそうだ、0m地帯もあると聞く。
高速を出て、火焔山に至る。その名のまんま、ひたすら暑い。なんとも暑い。地表温度は80度にもなると聞くが、実際はそれほどでもないと思う。どこからも炎が立つような山の形。見ただけで暑い。

kaen060828-2

 砂の廃墟、高昌故城。紀元前から、唐などの支配をうけながらも、ウイグル族の都市として栄えてきたが、13世紀頃、チンギス・カンに襲撃され廃墟になってしまったそうだ。それにしても、どうしてここまで土に還れるのだろう。千年の歴史を持つ文明が、完璧に土になってしまっている。思えば、この方が正しいのかもしれない。何十年たっても、何百年たっても土に還らないものを作り続けている、われらの文明が、廃墟となる日がきても、絶対に土に還らないだろう。そしたら、膨大な汚物だけをいつまでも地球に貯めつづけている事になるだろう。

kaen060828-3

 アスターナ古墳群では、あまりの暑さにまいってしまい。十分な見学もできずに次はベゼクリク千仏洞へ。川に沿って緑豊かな断崖地帯を切り取って壮大な洞窟群がある。敦煌の莫高窟ほどではないが、相当な数の洞窟があって、その中に極彩色の見事な壁画が描かれている・・いたらしい。今は、殆ど全てが無残に剥ぎ取られて見る影もない。イスラムの侵略が仏教芸術を破壊した時もあれば、外国の探検隊が剥ぎ取って持ち帰った場合もあるそうだ。なんとも悲しい。かいま見える顔は、奈良の天平の文化に通じる優しい、ふくよかな顔であった。

kaen060828-4

kaen060828-5

 昼食後(前後するが、昼食の事は次の記事で)交河故城へ。ここも高昌故城と同じく高昌国が栄えた時代の廃墟である。ただ、保存がよく、城の形があまり崩れずに残っている。
ここでも、土産を買って値段交渉をした後、友人がガイドといつわって只で自分の土産をゲットできた。ミネラルウォータも日本人3元、ガイドと言ったら1元だったらしい。

kaen060828-6