ホーチミン、フエの旅ー16

ニャチャンに着20:10、1時間の遅れ
「腹は減らへんのかいな」と思うでしょう。
隣の人達は、時々ミカンを食べている。其の時は気を遣わせると悪いから、寝た
ふりをしていた。
そろそろ晩飯時だ。上の商人風の人は時々トイレに下りて来るだけで、ずっと
上で寝ている。
夫婦二人連れは、晩飯を食べ始めた。
「ご飯食べないの?」と聞いてくる。
「ベトナム食は食べられない?」
「そんな事ないですよ。お腹空いてないんです」
動かないからだろう全くお腹が空かない。特に我慢してるわけでもないのに
食べたい気が起こらないのだ。
しかし、意地を張っているようでちょっとまずいかなと思って、とっておきを
取り出した。
こういう事もあろうかと、ウィスキーをチーズや豆を用意してきているのだ。
「私は、これがあるから」と取り出しながら、
「一杯どうですか?」とご主人に向かってウィスキーのボトルを振って見せた。
「いや、いや」と手を振るので、一人で飲み始めた。
ゴトゴトゆれる列車の中で、外の景色を見ながらちびちびのやるのは中々
良い感じだ。
しばらくすると、乗務員がやってきて何か言っている。
「やっとニャチャンに着きそうや」と二人嬉しそうに言う。乗務員は早く準備しろ
とせかている。荷物を持って外の行った二人が又戻ってきた。
「1時間遅れてるから、まだ着かないそうや」とがっかりしている。
どうやら単線運転のようだ。途中で長く停車してたのは、向こうから列車が来ない
ので待っていたようだ。やたら意味も無く何でも遅れるというものでもないらしい。
それから、1時間と少し、又乗務員がやってきた。
やっとニャチャンに到着するのだろう。