最近夢中で読んだ本、矢作俊彦、辻静雄、向井万起男他

  • 2006年11月6日
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安岡章太郎
 「海辺の光景」
   そうと知らずに狂っていく母と、自ら崩壊していく父との暮らしを
   するどい感性できりとって語って行く。
   深く深く考えさせられる本です。
 「アメリカ感情旅行」
   とても、1960年に初刊行されたとは思えない新鮮さを感じる旅行記
   です。
   人種問題やアメリカ人の考え方、生活の様子などが、しっかりとした
   視点で描き出されています。
   すばらしい旅行記です。
伊藤たかみ
 「ミカ」
 「ミカXミカ」
 「雪の華」
   あいかわらず、感性のある言葉が美しく使われています。
   簡単なわかりやすい話で、やさしい言葉遣いなのに、
   ずんずんと引き込まれていきます。
   すごい才能だと思います。
辻静雄
 「奇想の系譜」
 「奇想の図譜」
   プライスコレクション「若冲と江戸絵画」展に行って感動して以来、
   若冲や芦雪などに関係したものは、何でも目についてしまいます。
   この本は、彼らの奇想の奇想たる所以を説き、その奇才、天才を
   するどい視点で解説しています。
   江戸絵画の歴史と、その爛熟が産み出した奇想の天才が生き生きと
   浮かんできます。
矢作俊彦
 「ららら科学の子」
   本当に夢中で読みました。
   学園紛争、全共闘、ベトナム戦争の我らの時代を生きて、
   そのまま、中国の文革の中へ埋まってしまい、ある日突然
   タイムマシンからのように帰ってきた男の、やらなければならない
   事ってなんだたんでしょう。
   一気に読んでしまう痛快な本でした。

   後で、一人で、酒を飲みながら、少しゆっくり考えてみよう。

向井万起男
 「ハードボイルドに生きるのだ」
   女房は宇宙飛行士という筆者の軽妙なエッセイ集。
   医師、科学者としての鋭い視点と大リーグについてのなみなみ
   ならない薀蓄がうかがえるエッセイで、とても読み応えがあります。

hon061106