最近夢中で読んだ本、沢田サタ、エドワード・ドルニック

  • 2007年1月16日
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沢田サタ 「泥まみれの死」沢田教一ベトナム写真集
ベトナム戦争の終わり頃、カンボジアで狙撃されて死んだ、ピュリツァー賞写真家沢田教一の写真集です。
彼の写真はホーチミンの戦争記念館で沢山見ました。非常に沢山の報道写真が展示されていましたが、その中でも、ひときわ印象的なのが彼の作品でした。
ピュリツァー賞を貰った「安全への逃避」、この本の題名にもなっている「泥まみれの死」など、瞬間を切り取る感性はすごいものがあると思います。
戦争に巻き込まれた市民の恐れ、不安、怒り、不信、戦争を戦っている軍人達のやはり恐れ、不安、怒り、不信等々を鋭く切り取って見せています。
この本を読んでいると、彼の心の中に、人や自然への愛が強くあるからこそ、それが踏みにじられている現場を、この地に踏みとどまって、伝え続けなければいけないといった気持ちが感じ取れます。
今でも、世界のいろいろなところで戦争が起こっています。こういう風にメッセージを発信してきた人達の事を簡単に忘れてしまわないようにしないといけないと改めて強く思いました。

エドワード・ドルニック 「ムンクを追え」
名画盗難を追うドキュメンタリーです。
推理小説並みに面白いです。
冬季オリンピックが開幕される、その日の朝、開催国の首都にあるノルウエィ国立美術館からムンクの最も有名な「叫び」が強奪されるという話から始まります。
何億円、何十億円する絵画でも、予算の関係で意外と警備は手薄であったり、被害者の命に別状があるわけではないし、盗難絵画は市場の売れるわけではないといった事から、捜査もそれほど厳しくないという事で、意外と名画盗難は多いという話です。
この辺の実態が良くわかります。
この中で、情熱的なロンドン警視庁の捜査員が知識と経験を駆使して、おとり捜査を中心に犯人の目星をつけて追い詰めていくという話が軸になっていて、これが、けっこうわくわくする面白い話です。

そういえば、年末年始番組で「お宝鑑定団特別番組」みたいなのがありましたが、それで紹介された奈良の美術館が早速、強盗にあってましたね。

こんなの酷いですね。

hon070116

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