最近読んだ本、「千年紀の民」、「江戸の紀行文」

  • 2011年5月26日
  • 1人
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J・G・バラード、「千年紀の民」
先日テレビを見ていたらビンラディンが殺されたというニュースを報道していた。
9.11は確かに酷いテロだけど、草の根わけても仇を探し出してぶち殺すというやり方は
西部劇の時代から何も変わってないんやなあと肌寒く思った。
9.11の時は、スナックで酒を飲みながらテレビを見ていて、大衝撃を受けた。
あの大国アメリカでさえも、あんな風に内から攻撃されたら或る意味ひとたまりも
なく大打撃を受けてしまうんだなあと思ったのだ。
外から同士の戦争ではどんなに強くても、内に敵を抱えてしまったらどうしようもないのだ。
戦争の新たな形が現れたんだと思った。

はるか昔、「これからどんな世界がやってくるんやろ?」と或る意味わくわくしながら、会社の
中にネットワークというものを敷設しくのも仕事の一つだった。
「時代はどう変わるんやろ?」
何年かして、阪神大震災が起こった。
ネット上にリアルタイムで報告される災害の映像や電子メールを見て、すごい世界ができてしまったなあ
と感動したものだ。
今や、インターネットは理不尽な政府を覆す人民の武器にさえなりつつある。
銃や爆弾がなくても市民がある種の武器を手にできる時代になったのだ。
これからは、怒れる市民がどんな武器を手にするようになるのか。
どんな革命をするようになるのか。
未来の我々はどうなっていくのだろう。
いろいろ考えてしまう本なのだ。
女性

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松阪耀子、「江戸の紀行文」
松尾芭蕉の有名な「奥の細道」は優れた紀行文とは言えないという話から始まる。
確かにそうだろう。
別の本で、「奥の細道」は作為に満ちて創られた紀行の本だと解説していた。実際の旅行記
というよりは、そこに書かれた歌がそこにあるべき舞台を整えながら文学的な仕上がりを
創っていった世界であるのだろう。笈の小文なども男の恋人との道行紀行みたいなもの
らしい。実に創作の世界なのだ。
それならば正統的な紀行文とはどんなものかというのがこの本なのだ。
江戸時代には物語りで優れた作品は沢山あるが、紀行文にも多くの名作があるという。
正確で役に立つ、そして読んで面白いという紀行文の基本を押さえた優れた作品が多くあるというのだ。
林羅山、貝原益軒、本居宣長など本がいいという。
土屋斐子の本などは是非読んでみたいものだ。
女性の目から見た当時の暮らしや旅の様子が生き生きと描かれているそうだ。面白そう。

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