今年の春はえらい寒い毎日だった。普段の暮らしは寒い時は寒いなりに、暑い時はまたそのように
何か着て暮らしている。それは誰でもそうなので不思議でもなんでもない。
先日、熊野古道に行った時には或る程度予想はしていたものの暖かくなるとの天気予報もあったので
ちょっと油断して寒い思いをした。こういう時軽くて持ち運びが簡単なダウンジャケットがあったら
いいのにと思ったのだ。普段に来ているダウンジャケットはあるが、安ものなので結構重くて嵩張る
のだ。「いいのを買わんとあかんなあ」と思っていたが、よう考えたら、古い登山用のがあった。
もう何十年も前に買ったやつだが、軽くて扱い易い。ぎゅうぎゅう押しこんだらコンパクトにも
なるので愛用していたが、汚れがあまりにもひどい。昔はクリーニングに出したりもしたが、高い上に
あまりきれいにならない。それで、あまり使わずにほったらかしてあった。
それで、ちょっと閃いた。「もしかしたら自分で洗えばええんとちゃうんやろか」
ネットで調べて見ると、いろんな人が方法を紹介している。
だんだん「いけそうやな」と思ってきた。
ポイントはこういう事のようだ。
・羽毛を傷めないよう中性洗剤を使う。
・もみ洗いを絶対にしないで、たたいて汚れを落とす。
・最後に柔軟剤を入れて、膨らみやすくする。
・乾燥は、ドラム式の乾燥機を使う。無ければコインランドリーを利用する。
羽毛製品を洗って失敗するのは中の羽毛が固まってコテコテになってしまうことだ。回転式で乾燥
させればそれが避けらるのか。なるほど。失敗してもコインランドリーの乾燥機を使えばいいという
ことか。
これならやれそう。やってみよう。
もういちど古いヤツを取り出して点検する。
袖口、脇のあたり、ポケットの周辺、襟に帽子、どここかしこも黒ずんだ汚れがこびりついている。
「さあやるぞ」もういっかい自分で自分をはげましてやる。
膨らんだら大きくなりそうなので風呂桶を使おう。
ネットに書いていた手順を間違えないようにやるのだ。
ぬるま湯を貼ってダウンジャケットを入れる。湯の中に押し込みながら汚れたところを叩いてやる。
少々ではどうにもならない。かなり叩く。叩いてまた叩く。それでもあかんところは洗剤の原液を
つけて又叩く。大分汚れが薄くなってきた。
ずぼっと全体を湯の中に沈めて、2時間ほどほっておく。
取り出して、洗濯機で1分ほど脱水だけする。
汚れをみてもうちょっと気になるので又原液をつけながら叩く。
水洗いを2回する。
水を貼って柔軟剤を入れる。
1分ほど脱水だけする。
それでとりだして、丸一日陰干しする。
羽毛は固まってそうだ。ちょっと心配だがここまできたらやるしかない。
朝になって、乾燥機に入れる。家のあるのは強力ではないから、1時間くらいではふわふわ感が
でない。2時間ほどもやってみた。
なかなかええ感じになってきた。ふわふわしてきた。
縫い目の中でかたよりはあるはずやから手でほぐすように広げてやる。
なんとなくうまくいった。コインランドリーの乾燥機を使わなくても済みそうだ。
外を見るといい天気だ。
最後に太陽の助けを借りよう。直接陽にさらすのだ。
「うまくいった」
ふわふわ感が元に戻った。汚れはどうだろう。完全にとれるというわけにはいかないが、じじ汚く
汚れている感じがなくなった。変色はしているが汚れきってるわけでないという状態だ。
「これやったら十分使えるやん」という成果だ。
これでちょっと寒くなる恐れのある旅行にも十分旅の道具に使えるようになった。
自分でやると本職のクリーニング屋より綺麗になるんやったら、やるしかないんではないか。
しかし無茶苦茶になってしまうというリスクもあるようだ。
皆さん自己責任でやりましょう。
毎週月曜はこだわりのモノの話です。
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