妄想居酒屋、「小料理店○○○」の想い出。006−妖しい客も居る。

妖しい客も居る。

さて、居酒屋に1人で行って、隣に座る客を選べるか?
知ってりゃ避ける方法もあるかもしれんけど、いつの間にか隣に座った人はどうしようもない。
それが、いい人で、気が合って、とても盛り上がる場合もある。
そうでない場合もある。
特にわしは常連さんではないんで、どんな客がどんな性格なんか事前に察知することは
全くできへんのだ。
ある日のこと、たまたまこの店に来て、1人で飲んでいた。
ハートランドビールを飲んで、ご機嫌になったあと、ヨコワの刺し身を肴にお酒を。
酒は、日本城、純米吟醸、和歌山の酒だ。
わしの故郷の酒であり、名前も知ってたけど、ごく普通の地方地酒やと思ってた。
それがまたえらい違いではないか。まるでビロードのようにヌメやかな妖しい味わいだ。
和歌山にこんな酒があったんかと驚いた。
美酒に酔いしれてるころ、けったいな客が入ってきた。
相当出来上がってる。けどご機嫌という感じではない。いやな感じがした。
しばらくしたら頻りに話しかけてくる。
なんか感じ悪い。
適当に受け答えする。
わしの酒が飲めんのか? てな方向でないのは有り難い。
わしは人見知り爺さんやから、あんまり見知らぬ人と酒を酌み交わすのは好きではない。
それでも知らん顔すんのも何なんで程々に愛想よく相槌をうっておく。
そのうち、「気に入ったわ、おまえ」なんて言い出した。
半袖の腕のあたりからチラチラ、タトゥみたいなんが見え隠れしてるような?
してないような?

ナスの胡麻和えが出る。
酒の減りが早い。
「エエこと教えたるわ」、「絶対役に立つことや」
「はあ」、
「ホンマに聴きたいか」、「こんなん誰にもおしえへんのや」、「大変なことなんやで」
「いや、別にいいですよ」
殆ど興味がない。しかし、けっこう気ぃ悪くしたみたい。
モノいいかたがくどくなってる。
「ほんまに教えていらんのか?」、「きっと後悔するぞ」
なんやらめんどくさくなりそうだ。
暴力を振るう様子はないけど、話がくどい、しつこい、同じことばっかり。
たちのわるい酔っぱらいだ。
「いや、良いですよ」
きりがない。
女将にしても初めての客みたい。戸惑いながらも助け舟をだしてくれた。
それを機会にさっさと退散しよう。
よくある話だ。
その後、この人と出会ったことないなあ。

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