映画「北京バイオリン」

先週、仕事で大連、北京に行きました。北京で朝、散歩をしていて胡同に行き当たりました。相変わらず、老北京はいいです。
気持ちが落ち着きます。
それで、帰ってビデオレンタル屋さんを覗いていたら、「北京バイオリン」があったのでつい借りて見てしまいました。

原題は「いつも貴方と一緒にいるよ!」という意味の言葉です。
北京駅や胡同が印象的にでてきます。
北京を懐かしく思い出しました。

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主人公の悲しい話はそれはそれでいいんですが、かなり屈折した音楽教師、いつも男に騙されながらも屈託なく明るいお嬢さんなど、登場人物は魅力的です。

中国は、賄賂とはいわないまでも便宜を計ってもらうための具体的な配慮が必要で、それを大人的にうまくやらないと、するほうも、されるほうも滑らかにはいかないといったような側面が現実にはあって、そういう部分も描かれているような気がしました。
そういう事は人の行いとしては醜い面であって、あえてしないという生き方を描いたのが「胡同のひまわり」だったように思いますが、この映画では、「施しは受けない」というお父さんと、チップという形であってもバイオリンを弾いた報酬ならためらいもなく受け取る子供、お父さんにしても必要なプレゼントについての具えは考えているといった具合に、中国でのこういう面も現実のありようと意図的に見せているのかなと感じました。
お金や生き様をめぐる国によっての考え方の違いは、面白くもあるし、とまどいもあるし、難しくもあります。
奥が深いですね。

毎週木曜は映画、音楽、書画の話です。