蘇州古園の旅ー12 石家飯店の昼食は 店内は庶民の大食堂と言う感じ、私の大好きな雰囲気だ。 真昼間だが、どの卓も家族連れやら、仕事仲間、友達同士、いろんなグループで 満員だ。ワイワイと大声で喋りながら食事している。 新店に席がなくてよかった。あそこならきっと個室か大部屋でも雰囲気がお上品だっただろう。 「ビールたのんでいいですか?」酒飲みは私だけのようなので遠慮がちに頼む。 付き出しは漬物。すぐに鴨の胆が出た。どちら […] 続きを読む
蘇州古園の旅ー11 蘇州郊外の老舗、石家飯店へ 手元に、蘇州の作家、陸文夫と言う人が書いた、「美食家」という本がある。 呉越の時代、宋の時代、明清の時代、ずっと文化の爛熟の地であった江蘇の地 の美味しい物の食べ方はどうやとか食通はどこにどうこだわるかといったことを 文化大革命前のある食通の暮らしぶりを通して描き、そして文革で贅沢として 否定してしまった食へのこだわりがやはり大事な文化であったことを書いた楽しい 本があ […] 続きを読む
蘇州古園の旅ー10 ちゃっちゃと下りましょう とうとう山頂の塔が見えるところまで来てしまった。日中友好の記念碑がある。 「ちょっとここで写真とってよ」老師は日中友好に関心がある。 「ずっと前に日中友好に尽くしたある人を案内してここに来たんや」 もう時間は眼中にないようだ。「大丈夫ですか?」、ちょうど下で待っている人から 老師に電話が入った。「直ぐ下りるから」と言っている。 「大丈夫、すぐに下りるから、皆待っててくれる […] 続きを読む
蘇州古園の旅ー9 次は霊岩山寺へ この辺を車で走りながらずっと気になっていたのは、山頂に見える塔である。 なだらかな丘の緑が一杯の先の方に丁度好い具合に塔がちょこんと立っている。 「あれも画になるなあ」と思いながら車がそれを見える位置に来るたびに思っていた。 今からそこに行くのだそうだ。駐車場からはかなりありそうだ。 今度は人が多い。有名な寺なんやなあと思いながら歩く。所謂門前町のようになっていて 道端にいろいろな […] 続きを読む
蘇州古園の旅ー8 天平山の静かな空気 広い庭園の中に池がある。庭園の木々と古びた建物、背後の山がこの池に映りこんでいる。 静謐といえる空気が水面に漂っている。 「画になるやろ」老師が言う。 「子供の頃、半日かけて自転車こいでここまで来て、ずっと写生したり、ぼんやり考え事 したりして一日過ごしてたんや」 目が遠くを見る目になっている。東屋を指さして、 「この椅子になあ、一日座ってたんや」 「青春時代を思い出してるんや […] 続きを読む